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第38話

「さあ、魔王を倒す大冒険に出発だ!」


「はい!」


 トルカを出、次の街へと続く道を進む彼。そのあとを私とミツルさんは追う。



 私は見上げた。


 綺麗な青空に、燦々と輝く太陽が目の前に広がる。


 本日は晴天なり。これもまた神様の思し召し。



「魔王を倒す大冒険って……」


 隣のミツルさんは私を見る。


「いいじゃないですか」


「いや、だって……」


 彼女は言いづらそうに私を見てから、目を背ける。


「たどり着けるわけないじゃん……」


「いいじゃないですか」


「えぇ……」


 だって、と私は唇をほころばせ、


「それなら、ずっとずーっと、皆で冒険ができるんですよ!」


 ミツルさんは驚いたような、呆れたような顔をした。


「ははは……」


 乾いた笑い。


「アータにゃ負けるよ。そんならまあ――勇者様にどこへでも連れていってもらいな」


「はい!」


 肩をすくめて、彼女は彼を追いかけはじめた。そばの茂みが揺れて、赤い頭が見え隠れしている。どうやら私の後を追うつもりらしい。彼は道中でちょくちょく遭遇していたようだ。



 私はキュッと胸に杖を抱え、走り出そうとする。


 そこでふと。


 振り返り、私が住んでいた――両親とともに過ごした家の方を見た。



 お父さん、お母さん。


 私は今、幸せです。


 生きていて、よかったです。



 それだけ告げて、私は前を向く。



「行こう!」


 先を行く彼が差し出す手を取り、私は日の光を浴びて進む。



 この輝きの中を、ここから始まる冒険を、


 紡いでいく。


 それが私と勇者様の物語。

 ご覧いただきまことにありがとうございます。


 アルファポリス様にて完結済みの作品もございますので、こちらもよろしければ(https://www.alphapolis.co.jp/novel/894051961/715519645)。


 今後の予定や現在の情報はホームページを中心に更新・掲載していきます。また、今後は外伝や作品解説等のホームページ独自のコンテンツも充実させていきます。ご訪問お待ちしております。

 ホームページ:成実ミナルるみなの徒然なるままに(https://naruminarumina.com/)


 最後に、改めてご覧いただきありがとうございます。本作品を大なり小なり評価していただけるのであれば、ブックマーク・☆☆☆☆☆による応援よろしくおねがいします。とても励みになります。



 それではまたどこかで。

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