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罪の代替
罪を思い出したのち、男は奔走していた。
点在する叡智を求め、ただ、ひたすらに。
得た力で躯を変え、更なる智慧を呑み、救う手立てを考え続けた。
― 一刻も早く、解放しなければ
新たな呪いは、遺した呪いを祓うために。
死に物狂い。それ以上の気迫で補完を進め、10年とかからず、嘗てのすべてを取り戻した。
だが、旅はまだ終われなかった。
救う算段を整えるため、
神といえど、万年とかかる大業。それを僅か20年足らずで成し遂げてしまった。
しかし、男にとっては不始末の処理に過ぎない。何よりも、一刻すら惜しかった。
そして、懺悔の時を迎える。