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罪の創成  作者: Abutilon
3/6

哀れな者たち

愚かな男から始まった。


男は世界を創りたかった。争いもなく、恐怖に支配されることもなく、妬み、乏しめ、謀ることもない。

ただ、『平穏』を創りたかった。


幸運なことに、男には力と時間があった。

成熟するとすぐに旅に出て、世界を渡り歩いた。

生命の有り様を見た。

残酷故の美しさ。無垢さえもつ心。どうしようもない欲望を知った。

その過程で、かけがえのない存在を得た。


長き旅の終わりに、理想を強く描いた。

信念は変わらない。『平穏』の実現。

何にも干渉されることなく、独立した世界の創造を!


そのために、あらゆるものを犠牲とした。

もっとも愚かだったことは、世界を捨てたことではない。

かけがえのない存在までも巻き込み、身勝手な理想に閉じ込めてしまったことだ。



不死の薬を飲ませ、叡智を吸収させ、創造の柱として利用したのだ。


しかし、愚行はそれだけでは終わらなかった。

『平穏』を誕生させる間際、男は力尽きてしまった。

それが故に、『平穏(世界)』は未熟なまま産み落とされた。


ーこのままでは長くはもたない。どうにかしなければならない。


 考え出された唯一の延命措置。最悪の代償。

 大切な存在を供給源として世界を維持する。


 男は方法を伝え、その命を全て賭して応急処置を施した。

 消えゆく間際に、心からの謝罪と、呪いを遺した。



 





 女神と化した存在は、その呪いが解かれるのを待ち続けている。

もうちょっとだけ続きます。

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