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第4話:悪人から生贄に

悪人まがいの行動で装備を整えた横田は次の街を目指す。目指す先は農業の街、ウベンクルガ。

―ウベングルガ


農場中心の街。

ここで採れる野菜や、加工物は高値で取引される。


横田はこの街へと来ていた。


「腹へったなぁ…。」


若剣士の装備を奪い、装備的には充実しているが、

いかんせん手持金は少ない。


買うか奪うか…横田は悩んでいた。

既に「奪う」という発想が悪人以外の何者でもない。


結局「奪う」事にした横田は、獲物を求めてさまよっていた。

商店街には数多くの品が並べられ、食料も多々あった。


しかし、こんな街中では直ぐに捕まってしまう。

横田は少し街から外れた農場を目指した。


「うおおおおおおおおおお!!」


多くの野菜が所狭しと実をつけている。

横田はイソイソと袋を取り出すと、野菜を手当たり次第採取した。


袋が一杯になり、横田は満足感で一杯だった。

帰ろうと振り返ると、一人の老人が横田を見ていた。



……


二人の間に沈黙が流れる。

頬を冷たい汗が流れたその時、老人は声をあげ横田へと走り出した。


「きっさまあああああああああああああ!!」


「ぎゃああああああああああああああああ!!」


老人が走ってきた。横田は悲鳴をあげながら逃走する。


「じじぃに捕まってたまるかあああああああ!!」


段々と距離が離れていく。

運動不足とはいえ、さすがに老人には…。


そう思った矢先、老人がドリンクを取り出した。

一瞬老人の体が赤く光ると、老人の速度は3倍速くなった。


「ええええええええええええええええ!!?」


横田は走る速度をあげた。しかし、三倍速い老人は

それを上回る速度で追い掛ける。


「しゃーーーんなろーーーー!!」


老人が足元めがけてタックルをかました。


「うわぁぁぁっ!?」


横田は耐えきれず転がった。

マウントポジションをとった老人。


その顔は怒りで満ちている。


「殴り殺してくれるわぁぁっ!!!」


老人の気合の入ったパンチが横田を襲う。

横田はガードしようと試みるが、さすがに無理そうだ。


気合を入れ歯を食いしばる。


『メゴッッッッッ!!!!』


凄まじい音があたりに鳴り響いた。

横田は一撃で戦闘不能になった。


遠ざかる意識の中で老人のほくそ笑む姿が、

横田の頭に強く残っていった。


その手にはメリケンサックが握られていた…。


気がついた時には、パンツ一丁であった。

両手を縄で縛られ、足も結ばれている。


まともに動けそうにもなかった。


横田は諦めて眠る事にした。


目を閉じると話声が聞こえる。


―あいつ…生贄にどうかのぅ?


―そうじゃな…


―明日…ウベングルガ様に捧げよう。


―そうしよう…


横田は青ざめると必死に声を上げた。


「俺は上手くないぞぅ!!健康診断でも引っかかるぐらいだ!!」


「やめてくれぇ!!血糖値高いからぁ!!」


横田の声はむなしく独房に響いた。

幾ら声をあげても、誰も応えてくれない。


そのまま朝を待つししかなかった…。


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