02 怪しい3人組……そして、
●町の通路
フーン♪フーン♪魔石を頂きました。楽しみでしかたないです。
私はウキウキしながら商会を出て神殿を目指して歩いています。商会のおじさんには注意しろよと言われたが気持ちが、浮かれてそんな事は頭の中からすっかり忘れていた。そのまま細い路地を進んでいるとなにやら怪しげな男が3人ほど道を塞いでるじゃあないですか。
「嬢ちゃんさっき商会から魔石をもらったみたいだな」
「そいつを俺たちに渡しな」
「抵抗すると痛い目をみるぜ~」
怪しい3人組は町のチンピラですか。さて、どうしましょう。いったん、しらでもきりましょう。
「魔石てなんでしょうか?私はただ親のお使いで商会に行ったのですが」
「おいおい、しらをきるつもりか?俺たちは協会から見てたから嬢ちゃんが魔石を貰ってることは知ってるだぜ」
「俺たちをだまそうとしても無駄、無駄、無駄、無駄」
「早くよこしな~」
なんと!協会からですか。まぁ、あれだけ落ち着きのない態度をとっていたのは失態です。反省です。しかし、大人3人しかも男どうしよう……と考えていると男の一人が動きました。
私は後ろに逃げる様に姿勢を変えましたが、男の方が早くつかまってしまいました。
「よし、よく捕まえた。早く小娘の荷物を奪いな」
「了解!へへ、こいつか。頂いていくぜ」
ボスらしい男がもう一人の男に指示を出し、男がこちらに来て魔石の入った荷物ごと持っていこうとします。まって、私の大事な魔石を、家族を連れていかないで。
「やめて、荷物にさわらないでーー」
私は泣きながら必死に抵抗しました。しかし、拘束している男を振りほどくことができず。
「おい、おとなしくしやがれ。このガキが」
「そのまま、捕まえとけ。今おとなしくさせてやる」
荷物を取ろうとした男がこちらに来ます。そして、拳を私のお腹に打ち込みました。
痛い、あぁ意識が遠のいていきます。お願い。取らないで
「手間とらせやがって、おとなしく渡してりゃあ痛い目を見なくてもよかったのにな」
「じゃあ、ボスずらかりましょうぜ」
「よし、今日はこの魔石を売って祝杯でもあげるか。ははははは」
「あぁ、誰か私の魔石を、家族を助けて……」
「その願い、吾輩がうけようウサ」
「誰だ、てめー」
「名を名乗りな」
「俺たちに歯向かうとはいい度胸だ」
チンピラ3人組が私の前に立つ何者かに吼えています。
もう、意識がはっきりしない。誰でもいいのでお願い。私は気を失いました。
●町の通路
吾輩は主と一緒にこの国で開催されてる大会に参加するために町のよっていたウサ。町は活気づいていて賑わっているウサ。周りを見渡しながら歩いてると一人浮かれた少女がいるウサ。まるで、初めて吾輩と出会った主みたいではないかウサ。少女を見ていると怪しい3人組がなにやらつけてるみたいウサ。
「主、すまぬ。少し離れるウサ」
「え、ちょ、まてよ。せめて大会の受付させろよ~」
吾輩は主に断りの一言を入れ、少女の後を追いかけたウサ。
少し進むと細い路地に着いたウサ。少女は先ほどの怪しい3人組囲まれ荷物を取られようとしているではないかウサ。少女は必死に抵抗していたが、やがて別の男により荷物を取られてしまったウサ。
少女は必死に叫んだウサ
「あぁ、誰か私の魔石を、私の家族を助けて……」
吾輩のココロに衝撃が走ったウサ。少女は今、吾輩と主のように再開するパートナーを奪われようとしていたのかウサ。そんな事はさせないウサ。
「その願い、吾輩がうけようウサ」
怪しい3人組と対峙したウサ。名を名乗れと言ってきたが、こんなチンピラに名乗るなどないウサ。まずは、目の前の少女を拘束していた男に軽くジャブ(対人威力)を放つ。男は壁にぶつかり気を失ったウサ。
「てめー、やりやがったな。これでもくらいな」
「甘いウサ」
荷物を取った男はナイフを出し切りかかってきたが、バックステップからのソバット(対人威力)をお見舞いしてやったウサ。二人目の男も一人目の男の近くの壁にぶつかり気を失ったウサ。さて、あとはボスらしき男1人だけウサ。
「さて、残りはお主だけウサ。荷物を諦めて逃げるなら見逃すウサ」
「くそ、なめやがって」
ボスの男はショートソードを腰から引き抜き、そのまま吾輩に向かってきたウサ。吾輩は素早く間合いを詰め巴投げ(対人威力)で投げ飛ばしたウサ。ボスの男も同じように気を失ったウサ。
ふぅ、なかなか骨が折れたウサ。
「やっと、見つけたぞ。急にどうしたんだ。て、おい。お前がやったのか?」
「主かウサ。少女が怪しい3人組に荷物、いやパートナーを取られそうになったので助けたウサ」
「助けたって、おい少女は大丈夫なのか?」
「気を失ってるみたいウサ」
「このままは流石にマズイだろう。俺の体裁的に。とりあえず、少女と荷物を宿屋に移そう」
主の提案に吾輩は頷き、少女と荷物を持ったウサ。主も手伝おうとしたが、「あ、俺には無理だわ。お前の方が力あるし、任せた」と結局吾輩に丸投げしたウサ。少女の荷物の魔石に吾輩の思いを伝えたウサ。(今度は主である少女をしっかりと守るのだぞ)
●町の宿屋
あれ?しらない天井だ。て、ここはベットの上?たしか、私は細い路地でチンピラ3人組に襲われて……荷物は!私の魔石は!私は部屋を見渡し、テーブルの上に荷物があるのを確認した。急いでベットから降り中身を確認しました。あ、よかった。ありました、私の魔石。
「よかった。あなたも無事で……」
はて?でも誰が私と私の荷物を助けてくれたのでしょうか?意識が失われる前に誰か私の前に立っていたような、いなかったような気がします。考えても拉致がありません。この子を早く復活させないと……て、もう夜じゃない!!!くっ、お腹も空いてきました。今日のところは私を運んでくれた方が誰かという情報収集とご飯を貰いにお店の人に会いにいきます。
一階のロビーに来ました。一階は食堂兼受付ロビーみたいですね。ちょうどカウンターに店の人がいるので食事と情報収集です。
「すみません、食事をお願いします」
「あいよ。夕食1食5Gだよ」
私はお財布から5Gをカウンターに出し、そのまま運んだ人について尋ねてみた。
「あのう、私を運んでくれた方はどんな方でしたか?」
「あぁ、嬢ちゃんを運んでくれたのは一人の男性トレーナーと青いウサギのモンスターだよ。しかも、嬢ちゃんの宿代も払ってくれたよ」
なんと、青いウサギのパートナーとそのトレーナーさんは助けるだけでなく、宿代まで払ってくださってたとは。一体、どんな方なのでしょう。ぜひ、お会いしてウサギの耳をげふん、げふん。お礼を言わないと。
「どちらに行かれるとかはいわれてなかったですか?」
「命の恩人なら、あそこで一緒にパートナーと食事してるよ」
おかみさんが指を指した先のテーブルに青いウサギとそのトレーナーがいました。おかみさんから夕食を受け取り、青いウサギのパートナーがいるテーブルに向かい一緒に食事をとれるよう声をかけた。
「すみません、こちらにご一緒してもよろしいでしょうか?」
「お、おきたみたいだね。どうぞ」
「吾輩も問題ないウサ」
「失礼します」
私はテーブルに食事を置き、椅子に座りました。優しそうなトレーナーとしっかりしたパートナーだな。あぁ、あの青いフサフサした耳を触りたい……。は、いけない。自己紹介とお礼を言わないと。
「この度は私を助けていただき、宿代まで払っていただいてありがとうございます。私の名前はコーデリアと申します」
「僕はクロベで、君を助けたのはこの子は…」
「吾輩はうさえんもウサ」
クロベさんとうさえもんか。お、今日の晩御飯はシチューとパンです。もぐもぐ、美味しいです。お腹が空いてるので食べながら話を進めてみた。
「クロベさんとうさえもんさんですね。本当にありがとうございます。どうして私を助けてくださったのでしょうか」
「僕はただこの国である大会の受付しに来ただけで、この子が勝手に動いただけ。だから、お礼はうさえもんにどうぞ」
「吾輩はそなたが家族を助けてほしいという願いを聞いただけウサ」
「あ、あの時。うさえもんさんありがとうございます。この子にもしっかり伝えておきます」
私は魔石を取り出し握り締めました。うさえもんのおかげで無事だったので感謝しきれません。
「ところで、明日良ければ僕たちが神殿まで送ってあげるよ」
「え、よろしいのですか?」
「問題ないよ。大会まで時間はあるし、またチンピラに絡まれて危険にあうのはごめんだからね」
「吾輩も問題ないウサ。無事にそなたとそなたのパートナーを再会させてみせるウサ」
「うさえもんもこう言ってるからね。これも何かの縁さ」
「ありがとうございます。では、明日またお願いいたします」
クロベさんとうさえもんが護衛をしてくれるようになりました。食器をかたずけ私は部屋に戻ります。チンピラに襲われ怖い目にもあいましたが、クロベさんのような優しいトレーナーの方にも出会うことができました。そして、明日神殿で私のパートナーに会うことができるのですね。楽しみにしてその日の夜寝ました。