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 二人が輪廻の輪の外へと出てしまった。それがどういう事かと言うと、そもそも彼等の魂をアビスの瞳へといれた時点で其れは起こりえる事だったらしい。


『輪廻を外れるのは大罪です』


 そんなAIの脅しがあったが、既に起こってしまったことはどうしようもないじゃん? それともG-01なら時間逆行でも出来るの? それが出来るなら、あの時の私に未来からのメッセージが来てないとおかしい。それでもまあ、結局はああしたと思う。だって選択肢なかったし。


『肉体が朽ちた魂は記憶と経験を持って世界へと帰り礎になります。そして大きな力に戻り、再び世界を構築する一部になる。それが輪廻です』


 これもAIの言葉だ。その大きな力に戻ってしまったら、そこには既に個は存在してないらしい。まさに大きな力そのものに一体化されるらしい。まあ普通は生まれ変わったら記憶とかないもんねって昔の記憶を引っ張り出して考える。


 でもアビスの瞳にいれた段階ではギリギリまだ輪廻の枠組みには居たらしい。アビスの瞳とは相性悪かったし、一度の反旗くらいは見逃してくれるくらいは大きな力というか、そんな超常の存在は器が大きいらしい。まあ実際は一度輪廻に近付いた魂が再び肉体を得ても、まともでないからってのが大きそうだと思う。


 今回は私の助けがあったから二人も最終的には肉体を得れた。それもかなり強力な奴を。けど最初にいれたのはアビスの瞳な訳で、あれのままだと直ぐに輪廻に帰ることなったのは必然だ。だから輪廻も受け入れる準備はしてたんだろう。


 でも二人はヴァイスへと魂を移して、そこでこの世界と繋がり、サンクチュアリを見つけた。私的にもサンクチュアリがなんなのかはわからないし、二人もよくわかってない。けど、AIがいうにはサンクチュアリというのは、世界における力の収束点みたいなものらしい。どうしてそんなのが生物に出来るのかって疑問はある。ふつうはそういうのは特殊な場所とかにあるんじゃないの? 

 まあ考えても世界なんて仕組みの裏側なんてわからないんだけどね。魂が肉体を何度も移る事を輪廻はよろしくおもってない。

 一度も許しても二度目はなく、そして完全に定着して復活した二人は完全に輪廻のシステムから切り離された存在になった……ということらしい。


「それって何かデメリットあるの?」

『魂の帰る場所がないと言うことです。死んだらそれまで、輪廻転生はあり得ません。死と共にあるのは消滅だけとなりました』


 とりあえずそれを二人には伝えてみたけど、二人とも後悔はないみたいだった。まあ死んだ後の事なんか気にしないよね。ならよかったよかった。私は何も間違ってない! 


 てなわけで、二人のサンクチュアリを使って力を集めてAIの指示を受け取って私が二人に指示して、世界を超える扉を作った。この世界は平和そのものだからね。これ以上とどまる必要性はないらしい。別の世界の別のサンクチュアリを見つけましょう――と言うことだ。


 だから私達は世界を超える。再びね。

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