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「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 二つの剣を私は構えて走り出す。でも走る必要なんてなんかなかった。なんか背中から何か吹き出してきて、勝手に体を前に進めてくれる。向かってくる空獣の腕を切り結び、私はその勢いに任せて空間の裂けめに飛び込んだ。


「ここが空間の裂け目の中……」


 なんかそこはとても不思議な空間だった。波が揺らめいてて、そしていくつも自分が見える。全身を見てびっくりだけど、本当に私はロボットのようだ。狭いのか広いのかも分からない。まるで合わせ鏡の様な感じでもあるけど、上にも下にも自分がいるんだよね。


 自分というロボットが……


『来ます』


 その言葉で我に返る。いくつもの私がグニャグニャとうごめく。そして、それが向かってきた。私は黒い剣でそれを切る。黒い剣は横一線に広範囲を一気に切り裂いた。でも……


「切れたの?」

『ここは奴らの領域です。センサーを飛ばしましょう』


 そう言ってAIは何かを示す。そこに意識を集中すると、肩のあたりから、何か小さなものが飛んで行った。すると不思議と感覚が広がった気がする。スゴイ……そしてその広がった感覚に波の異変が感じられる。そこを私は斬った。


 すると空間が激しく揺らぐ。ゆったりと波撃ってた波が、ギザギザになるくらいには揺らいでる。空獣に効いてる? わからないが、多分そう――


「づっ!? きゃあああああああああああああああああああ!?」


 センサーが意味なくて私はふっとばされる。そっか……空間全体が激しく動いてたから、そうなったらセンサーなんて意味がないんだ。さらに今度は背中に大きな衝撃がかかる。体が真っ二つになるような衝撃が走る。私はまるで、ビリヤードの玉の様に、空獣にはじかれまわされる。


「こっのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 闇雲に私は剣を振るう。かなりの広範囲を剣は斬ってる筈だ。けど……それは当たってないのか、再び私は吹っ飛んだ。


(まずいまずいまずい……)


 このままじゃヤバイって流石に私でもわかる。ダメージが蓄積されすぎてて、動きがぎこちなくなっている。


「世界が助かるくらいにはまだ斬ってないの?」

『まだ足りません。本体に当てることが出来ればいいのですが……』


 言葉の歯切りが悪い。どうやらAIでも空獣の居場所まではわからないらしい。そっか……なら……もうこれしかないんじゃないかな? 私は無理矢理にでも勢いを殺す為に噴射出来るところから沢山、推進力を吹き出した。それで何とか勢いをとめる。


『何をする気ですか?』

「まあ見ててよ……」


 次で決める。私はその気だ。てか、もう次以上は耐えられない。そんな気がする。だからここで決める。私は両手にある黒と白の剣を重ね合わせる。すると二つの剣の機構が動き出し、二つの剣は一つになった。さらにまだ終わらない。黒と白の何かが、刀身から立ち上る。


 その瞬間、横っ腹に衝撃が走る。体が持ってかれそうになる。けど!!


「やらいでかああああああああああああああああああ!!」


 そう叫ぶと同時に背中のブースターが最大出力で吹き上がる。勢いをつけて、私はその攻撃に耐える。そして腕に力を籠める。攻撃が来た方に必ずいるでしょ。その考え。私はまずは一回振りおろし、そしてまっすぐに剣を突き出して腕を裂いていく。


もしかしたら本当は空獣の手は私が知ってるような構造ではなかったのかもしれない。けど、届く気がした。空間が色々と色や波を変えていく。そしてその先で勇者と魔王の剣は何かに刺さる。その瞬間、目の前が真っ白になった。


『エネルギーがあふれ出してます。これであの世界は救われるでしょう』

「そっか、よかった……」


 それだけを言って、私の意識はとぎれた。

次回は明日あげますね。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ここまで読んで、主人公がギャアギャア言ってるのが大半で地形や立ち位置なんかの環境が示されてなくてイマイチとっつきにくいと感じた。まるで広がりのない数直線上をダッシュしているみたい。 […
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