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「んぎゃああああああああああああああああああいたいいたいいたいたいたいたいたいたい!!」


 私は腕を伝ってくる痛覚にそんな声を上げる。いやだって本当に痛いよ。今までも確かに痛いってのはあった。けどこれはなんか違う。これまではG-01の緩衝があったんだとわかった。まあなにせ、実際はこの私の体には攻撃が当たってる訳ではないからね。

 攻撃を受け止めてるのはG-01である。それに私はシンクロ率を下げる術も身につけた。でも戦闘中に切っちゃう事は出来ない。なにせそんなことをすると、動きが明らかに精彩を欠くからね。でもそれでも……こんな痛いの初めてなんですけど!?


「うぎぎぎぎ……なに、ごれええ……」


 ポタポタと目汁がおちていく。なんか涙と言えないくらい濃い目汁が落ちてるよ。腕の血管がなんかとても赤く見えてる。流石におかしくない? 確かに私は痩せ型だ。ちょっと骨張ってるくらいだ。それに肌も真っ白である。けどだからって毛細血管が光ってる様に見えないからね! 

 赤い血管が浮き出てる様に見えてる……なんてレベルじゃない。G-01を通して、何かが入ってきてる? 


『どうやら世界が、ジャネスが、貴女の体を蝕んでます』

「ジャネスって……この世界の力の名称……だったっけ?」

『ええ、このままでは危険です。引くか、それか完全シンクロ状態になってください』


 完全シンクロ状態って空獣と戦ったときのあれだよね? けどあれしたらこの痛みがもっとヤバくなるんでは? 


『G-01と完全シンクロしたほうが痛みには強くなれます。プロテクトも直接的に効きます』

「わかった……」


 あの鯨は空獣並み……とは言えないかもしれないが、十分にヤバい奴なんだろう。なら、この状態では厳しい。てか、この攻撃を受け流す為にも、このままじゃダメだ。痛いけど、私は歯を食いしばって意識を深く沈める。すると底の方に繋がりがあるんだ。G-01との繋がり。


『完全シンクロ――開始します』

「うおりゃあああああああああああああああああ!!」


 視界が一気に開けた。まあ目の前には鯨が放った攻撃しか見えないけどね。禍々しいその力が、私の……G-01の腕を押しつぶそうとしてる。厳密に言うと、G-01の手は攻撃には触れてはない。力で腕を覆って守ってるからだ。けどそれでも傷み伝わってきた。今も痛い。けど確かに、さっきよりも傷みに鈍感かも。


「ぐぎぎぎぎぎ……フルパワーなのに……なんで……」


 不味い、全然押し返せない。このままじゃ、押しつぶされる。


『背中のユニットを使ってください』

「使うって……うううう……わかった!!」


 理由を聞く余裕もない。とりあえず使うしかない。私はブースターを使う要領でそれを発動させる。するとやっぱり不快な音が鳴って内部で爆発でもしてるのか、ボフボフと吹き出す。けどそれは推進力とかではない。何も変わらないんですけど!? 


 でもこれを続けるしかない。不快な音と背中からの衝撃、鯨の攻撃の傷み……


(これ、私も死ぬんじゃない?)


 と思った。

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