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「う゛ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 そんな風に空に現れた大きな鯨が吠える。それはとても大きな迫力と声量で、大きくこの木を揺らした。そのせいで、何体か色を抜いてる途中だったポニが飛ばされる。そしてそのまま光となって、鯨へと吸い込まれていく。


「あいつ、邪魔してる訳?」


 まあ確かに邪魔されても文句言えない事をやってるとは思う。てか、これは完全に敵対されたんではないのかな? このまま戦闘となったら不味いんじゃない? あの鯨にどんな攻撃が効くかわからないし、あんなのか暴れたら、目玉壊されそうだ。そうなると、魔王と勇者は復活なんて出来なくなるだろう。けどまだヴァイスをどうやって二人の魂に併せていくかとか、かんがえてない。

 AIは世界が認めれば……的な事を言ってたが、その世界の意思のようなポニの集合体みたいな鯨が敵意むき出しなんだよね。私が色を抜いた白ポニ達でどうにか出来るだろうか? 鯨じゃなく、この木に成ってる実であるヴァイスの方ね。


 鯨を白ポニ達に相手させるのは悪手だと思う。なんせ吹き飛ばされたポニが吸収された所を見ると、どうやらあの鯨はポニをどんどん自分の所に戻したいと思うんだ。だからここで白くなってくれたポニを使っちゃダメだろう。ならここは私が出るしかない。

 そもそもがG-01の方がポニよりも強そうだしね。


「皆はそこの目玉を任されてくれる」

「ポニポー」

「え? 魂が苦しんでる?」

「ぽにぽに」


 一番最初に私色に染めたポニ子がそんな事をいってくる。なんでこの子だけは私言葉を理解できるのだろうか? 謎である。まあけど、意思疎通が出来るってのは便利だ。どうやらそろそろ二人の魂はアビスの目と言う醜悪な器に限界を感じてるらしい。


 そもそもがそんなに保たないって話だったもんね。一時しのぎもここまで保ったのなら長く保ったほうだろう。決断が迫られてる……けど、今二人の魂をヴァイスに移し替えたとしても……全然二人の魂に併せてない。拒絶反応が出ちゃうんじゃないだろうか? 

 力の質としては十分以上だと思うけど、なんの調整も私には出来てない。賭けすぎる……そんな事を思ってると、G-01の中にアラートが鳴り響く。


『高密度のエネルギーを感知しました』

「それって!」


 この状況で鯨から目を離すなんて事はもちろんしてない。けど、一見奴はなにもやってない様に見えた。だけどどうやら違ったらしい。周囲を枝や葉に包まれてるから気付くのが遅れた。鯨は頭と尻尾をそらして、その直上にエネルギーを集めてた。


『逃げてください! あのエネルギー総量は想定外です!!」


 珍しくAIが焦った様な声を出す。けど逃げる? どこに? それにここには勇者と魔王の魂があるんだよ? 今からなんてどこに逃げたって間に合わないよ。


「ぽにぽーー!」

「え? やってくれる……の?」

「ぽに!」


 ポニ子が私に提案してきたそれは――

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