表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/1564

50

「なに……これ?」


 私の腕にあらわれた変な生き物……生き物? がこっちを見てる。なんだろう……なんかぺしぺししてくる。まるで何かを訴えてるかのよう……


「止めてって言ってる?」


 なんかそんな気がしてくる。でもこいつ、案外大きいよね。ペンギンみたいな体型を人サイズにまでしたくらいは多分ある。そして変な仮面被ってるから、キモい。


「えい!」


 私は腕を振るって変な生き物を振り払う。ちょっとでも可愛い感じならためらいがあったかもしれない。でも本音を言うと、自分が可愛いに反応するのか……よくわからない。寧ろ自分が一番可愛いんじゃね? とかおもってるし。

 なにせ自分の顔を見たとき、超絶美少女っておもったからね。


「げっ!?」


 振り払ったと思ったら、何故か二匹に増えてた。おいおい、なんでなの? なんか微妙にデザイン違う仮面被ってる。


『反応が多数あります』

「うそ……」


 いつの間にか周囲にこの変な生き物がいた。しかもそこら中に無数に……だ。私をG-01を囲む様にいっぱいいる。そして全員の視線が私に向かってきてる。ちょっと悍ましい、というか怖い。


「強そうじゃない……よね? それともこの中にサンクチュアリ保持してる存在がいる?」

『どうでしょうね。そもそもがこれは……』

「これは?」


 AIの声はそこから先を紡いでくれなかった。またもったいぶって……まあきっと理解なんて出来ないと思うけどね。でも、モヤモヤするじゃん。途中で途切れさせられるとモヤモヤするじゃん!


「とりあえずどうコミュニケーションを取るのが正解な訳?」

『わかりませんね』

「でも、この実が必要なんだけど……あっ、もがなければ良いのかな?」


 そう思って私は再び実を掴んだ。そのときに変な生物の反応はなかった。


(よしよし、やっぱりもがなければ良いんだね)


 私は確信して実を両手でつつみこむ。目玉は横において集中する。容量は目玉の時と同じである。併せていけばいいんだ。


「むむむ……」


 けど殻のせいなのか、なかなか力を感じれない。この実の中には太陽の様な力があるはずだ。けど……力がとても遠い。


(これ……出来る?)

 

 不安になった。だってぜんぜん力を感じる事が出来ない。そうなると併せるなんて事も不可能だ。


(そうだ、そもそもの力の質の問題なのかも)


 AIがこの世界の力は前の世界の力の質とは違うといってた。アビスの時は、むき出しみたいな物だったから、それに自分が併せていけた。けどこれは違う。でもその力までの距離はもしかしたら力の質の問題なのかも。堅いと感じるこの殻も、もしかしたら力の質が関係してるとしたら……


「よし……行くよ」


 私は力の質をアビスに併せた時の物にして実に送り込む。するとさっきの抵抗が嘘みたいに思えた。どうやら正解だったみたいだ。やっぱ私は天才だね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ