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「まあとりあえずヴァイスはあるし、割るよりもこれに二人の魂を入れられるか……だよね」


 かなりの頑丈さだし、今の目玉よりは安心感あるね。どっちも丸いけど……


『そのまま入れて、何が目玉とかわるんですか?』

「……」


 それをいうか。まあ確かにその通りなんだけどさ。だってちょっとコンパクトになるくらいで、そこまでこのままでは変化がないのは確かだ。目玉は気持ち悪いって特性がデフォルトで着いてるけどね。でもどっちも二人の元の姿とはかけ離れてる。

 

 流石に人型とかにしたいよね。百パー元通りなんて不可能だし、そこは我慢して貰うとしてもこの実のままじゃあんまりか。


「でもどうするの? これをエネルギーとかに変換して別の物に出来る?」

『世界が応えれば、純な力は魂に寄り添ってくれます』

「え? なに?」


 そういう抽象的な言葉はダメだと思うの。絶対に私よりもAIの方が中二病酷いでしょ。まあAIはただ自分の中の知識のことを言ってるに過ぎないんだろうけど。もっとわかりやすく頼みたい。


「つまりはこれは力の塊の筈なんだから、魂入れれば勝手に魂が想像する形になるって事でしょ?」

『そうですね。世界の部分が抜けてますが』

「世界が応えるってなにさそれ?」


 そこらへん謎だったんだから仕方ない。理解できないことはスルーなのだ。


『漠然と世界の力がその世界事に違うのは感じてるでしょう?』

「まあ……多分?」


 なんとなくそんな気はしてる。最初に目覚めた魔王と勇者がいたあの世界とこの世界の力が違うのはなんとなくだけど感じる事は出来る。私はずっとG-01の中に居るんだけどね。空調してるからか? してるよね? それとも力そのものにそういう障害は関係ないのかも知れない。


『二人にはこの世界の容認がないのです。力も貴女が変換して与えてたでしょう?』

「え? それじゃあ私のこれまでの努力って無駄なの?」


 その可能性が出てきた。そもそもがこの世界の住人でない二人に世界が応えてくれる可能性ってないじゃん。ないのかな? わかんないけど。


『そうとは限りません。二人の肉体は消滅してます。魂とは純な物です。なら……』

「今なら、この世界の力に馴染む事も出来る!」

『その可能性はあります』


 なるほど……そうなればこの世界に受け入れられた……世界が応えてくれたってことになるのかもしれない。ある意味体が跡形もなくなっててよかったのかも? 


「よし、まずはこれをもっとよく理解して、二人の魂を入れられる隙間でも探そっかな」


 そう思って、手近な実を引きちぎろうと思った時、私の手に……というかG-01の手に何かがいた。薄い緑色の体に穴があいた葉っぱを被った変な顔の何か。二頭身で手足が短くて、なんかずんぐりむっくりしてるそれが、こっちをじっと見てる。

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