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 いきなり周囲が常識外れに明るくなった。G-01の中に閉じこもって、モニターさえ消してるのに、なのになお明るいという訳のわからなさだ。


「これって……光だけなの?」

 

 ふと疑問に思った。だってこれだけ明るいって事は、なんかもうめっちゃ熱そうじゃん。私はG-01の中に居るからそれを感じないが、実際どうなの? 


『熱も勿論感知してます。ですが光に対してはかなり常識的な温度です』

「へえ~ちなみに何度なの?」

『大体千度くらいですね』

「それって普通に死ねる?」

『死ねますね」


 死ねるらしい。なるほど……まあ大体が人の体温って三十六とか七とかだよね? なら千度とかボウボウだよね。寧ろボウボウと成る間もないほどかもしれない。


「外の二人の魂入れた目玉ヤバくない?」


 なにせ魔王と勇者を入れた目玉は外郭の外にある。私は外郭とG-01に今は守られてる形だ。けど、魔王と勇者の魂は、脆い目玉一つ。この差はヤバいのではないだろうか? まあなんか目玉は頑丈になってるみたいだけどさ……熱にまで強いかはわからない。元が脆いんだから大丈夫じゃないって思った方がいい。


「どうにか出来ないの? てか、何が原因?」

『わかりません。ですがピークは過ぎ去ったみたいです』

「どういうこと?」

『発生源が遠ざかっています』


 なるほど……何故かはわからないが、あとちょっとの……あとちょっと……持つ? 私は大丈夫だが、二人は無理じゃない?


「何かバリア的な機能ない?」

『潤沢に力が今はあります。イメージをしてみてはどうですか?』


 まさか自分で調べろ――じゃない言葉が返ってくるとは……調べなくても、そのくらいは実は出来る……的なことなのだろうか? イメージか……私はとりあえず周囲に力をまき散らすイメージをした。するとどっかが開いたみたいな表示がでた。そこから多分私の……というかG-01の力が散布されてる。

 更に私はそこにイメージを伝える。


(熱と光を遮断するようなバリアーよいでよ!!)


 とりあえず全体を満遍なく守れる様に、三百六十度を囲む様にイメージした。するとなんとなく出来た気がした。わずかだけど、光も弱まった? いや、ただ距離が更に出来ただけかもしれない。


「成功した?」

『いえ、全く』

「ふざけんな!」


 なんでやらせたし!! これは怒って良いよね私。ヤバいじゃん、二人の生死がかかってるのに、なにおふざけしてるの?そんなキャラだった? てかそんな遊び心あったんだ! 


『大丈夫ですよ。散布した力を上手く取り込んで回復に当ててるようです』

「そんな事出来るんだ?」

『傷を負えば、それを治そうとするのが生物の本能ですから』


 つまりは別に魔王も勇者も目玉の中で意識に覚醒してる訳ではなく、生物の本能として私の散布した力を使ってるって事? まあまだ死なないでくれてるのはいいけど……案外そんな事が出来てるって事は馴染んで来てない?


「案外目玉のままでも……」

『それが二人の為になりますか? というか、耐えられますか?』


 私は目玉を従えるG-01の姿を想像する。


「うん、やっぱりちゃんとした体が必要だね!!」


 両隣に目玉が居るって想像以上にきついよ。やっぱり早急にちゃんとした体を作らないとね。


『光源は遠ざかりました』

「よしよし」


 私はようやく外装から出る。どうやってって? 勿論無理矢理である。本当ならパーンとパージできるらしいが、木に突っ込んで、絡まってるから出来ないからしょうがない。外に出ると森だった。何を言ってるかわからないと思うが、ぱっと見は森なんだ。


 なにせ枝と葉が一面にあるし……下を見ると、空しかみえない。地表を確認することができなかった。そしてその空に太陽の様な光源がみえる。


「まさかさっきの光ってあれ?」

『そのようですね。あれがこの世界の光であり、ヴァイスなんでしょう』

「なるほど……ヴァイスね」


 …………何ヴァイスって? AIってちょくちょく謎ワードを挟んでくるから困る。

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