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「とりあえず肉体を用意すれば良いんだよね?」

『そうですね。ただし、魂と肉体とは密な関係にあり、同時に危険性をもはらんでいます』

「なんなのそれ!?」


 ちょっとこれ以上、複雑な事をいわないでほしい。既に私の頭はいっぱいいっぱいだよ! 


『魂と肉体には相性があります。簡単に言うと、男の魂に女の肉体をあてがえば、それだけで拒絶反応が起きたりするのです。そしてそれは魂と肉体、双方の崩壊に繋がる場合もあると言うことを覚えててください』

「ちょっと脅さないでよ!! ――ん?」


 ちょっと待て、それっておかしくない? だって私は……私はなんとなくだけど、前世は男だったんじゃないかと思ってたんだけど? けど今、私は女である。更に言うと美少女である。でも私は、別に何か起きたことなんかない。確かに最初は違和感あったけど……言うなればそれくらいだ。

 まあ記憶も曖昧だったし、そもそもが本当に前世……なんて記憶だったのかも怪しいんだけどね。今やなんとも思ってないし。でも一応最初は男と思ってたわけで、AIが言うことが本当なら、その時点で何か魂と肉体拒絶反応的な物があっても良かったのでは? 


(いや、勿論苦しいとか痛いとかイヤだから行幸だったんだけど……)

「それって本当なの? 私なんともなかったわよ?」

『貴方はプチュオクミですよ?』

「それで何を納得しろと!?」


 ちょっとAI、プチュオクミってワード、便利に使って無い? どうやらプチュオクミという存在はかなり特殊らしい。けど勇者や魔王よりも特殊なのかは微妙だよね? だってどっちも世界に一人か数人居るかどうかって位でしょ? 


「とりあえず今は贅沢な事なんか言ってらんないよ! 魂はどうなってる?」

『かなり反応が希薄になってきてます』


 不味い、輪廻に完全に還ってしまったら二人の死は確定だ。どうしようもなくなる。私は並べてた環の中から二つの目玉を取る。


「肉体はこれしかない!!」

『最悪ですね』

「五月蠅い、贅沢言ってらんないって言ったじゃん」

『では貴方がもし、アビスの目玉に魂を入れられたら耐えられますか?』

「それは死ねるけど……」


 わかるよ。私だって苦渋の決断なの。だってこの深淵、本当に何もない! なにもないの!! あるのはアビスの目玉しかないんだよ! 物質はもうそれだけだからこれしかない。ほんと、死ねるけど勇者も魔王もきっとわかってくれるよ。


『拒絶反応が出る確率がかなり高いです』

「そうだね。けど、一時的だから。二人の魂をアビスの目玉に入れたら、私にアビスの力を蓄えてここを一気にでる。多分、この目玉の数の力の相乗効果を利用すれば、そのくらい出来るだろうし。そして外で魔王と勇者にもっと合う体を見つける! このプランでどうだ!!」

『成功率、言いましょうか?』

「いらない。必ず成功させるからね」


 別に聞くのが怖いわけじゃない。自分を信じてるだけだ。ほんとだよ? いや、マジで。私は二つ目玉を側に置いて、二人の肉体があった中心に立った。

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