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 あれからいくつの時が流れただろうか? 今や私の背は高くなり、二本脚で立ち、日夜命のやりとりをする毎日である。魔王が赤ちゃんだった時から今まで、戦わなかった日など無い。いやマジで赤ちゃんの時から戦ってるからね。本当にもう生まれてからずっと戦ってるって言って良い。


 はっきり言おう……こいつ頭おかしい。まあそれも先代魔王が常に魔物をけしかけてくるから何だが……一体何を考えてるのかわからないね。魔王だから強くなれって事なんだと思う。思うけど、これは異常としか思えない。一体この魔王試練はいつ終わるのか。


 魔王はいつからか、自分で倒した魔物の肉を食うようになってた。ミルクなんて必要ねえ! 俺に必要なのはてめえのその真っ赤な血なんだよ!! と言わんばかり赤ちゃんの時は血をすするようになってた。なにせ先代魔王は刺客を送る事しかしないから、勿論魔王を世話する奴なんていないのだ。

 食事だって自分でどうにかするしかなかった。だから、倒した相手の血をすすり、今ではその肉を豪快に食うようになってしまったのだ。


 私がしってる魔王は、短絡的に見えても、ちゃんと思考してる文明的なところがあると思ってる。魔王だからって獣ではないのだ。けど、今の魔王はまさに獣である。いや、野獣といった方が正しいか。常に命を狙われ、刺客を返り討ちにしてその血肉をむさぼり食う日々は、どれだけ譲歩したとしても、文化的だなんて言えない。


 この状態から、どうやって今の魔王の様になるのだろうか? 実は魔王の成長はとても早い。いくつ時が流れたか……とか最初にいったが、実はそんなに経ってないと思う。まあいきなり場面が変わったりもしてるんだけどね。今は魔王は外にいるからね。


 早々にいつでもどんなときでも先代魔王が刺客を放ってくる魔王城にいるのは危険だと本能が訴えたんだろう。その場面は実は見てないが、私の記憶では私が見始めて、数時間くらいで血をすすりだして、そうしたらいきなりめきめき体が成長し出したから、すぐに立てる様になったんだよね。


 だから今はそれよりも成長してるが、あの成長速度を考えていま、まだ子供くらいだと言うことは、そんなに時間経ってない筈だ。


 まあもしかしたらどっかの戦闘民族みたいに、特定時代が長いとかだったらわからないけどね。しかしまあ……魔王君はよく食べる。一体その体のどこに入ってるのかって位に食ってる。そして今、ぷっと骨を吐き出した。


「ガルル……」


 どうやらこの魔王君はどうにかして先代魔王を倒したいと考えてるようだ。なんでガルルでわかるんだって言うと、まあなんとくなくである。けど間違ってない気はする。なにせずっと自分の命を狙って来る奴だ。それはそれは恨み募ってる筈だ。


 魔王君はだから力を求めてる。学なんかよりも力である。勿論言葉なんて高度な物はしらない。


「いや、本当に大丈夫なのこれ?」


 そう思わずにはいられない。まあけど、これって魔王の過去なんだよね。なら何も心配する必要は無い。必要は無いが、魔王視点で見てるせいか、感情移入してしまってる気がする。私のそんな心配をよそに、魔王君はガルガル良いながら、さらなる戦いに明け暮れるのである。

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