表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/1563

23

「これって、映った物のもっと何か奥の物を映すとか?」


 私の顔が映ったように。G-01の向こうの私の顔が映ったように……


「ふむふむ、ふふふ」


 私は十分に自分の顔を堪能した。別の物も映らないかな? とか思って見続けた。私の中には別の光景がある。今や曖昧だが、確かに感じる……しってると思う世界の光景だ。もしかしたらこのアビスの目玉になら、そんな光景が映るかも……とか思ったんだけど……


「役に立たねぇ」


 本日二度目のその台詞だった。とりあえずこの目玉に二人は石にされたんだし、私は二人に目を向ける。まあまとめて映すのもどうかと思ったから、とりあえず魔王から映してみた。石になってる魔王に目玉を向ける。


「ん? これじゃあ私は見えないじゃん」


 そもそもがよく考えると、どうやってその映るのをみるのか……だって魔王だけが映ってないといけないよね? 私ってどうやっても余計な情報だし。目玉が取捨選択してくれるのか? しないだろう。一体どうすれば……何が起こるかわからないが、なにも起こらないとつまらない。だから何か起きてほしいし、もしかしたらこれで魔王や勇者を元に戻せたらなっていう一縷の望み位には思ってもいるんだ。

 まあ八割方、何か起きないかなっていうドキワクなんだけどさ。とりあえず私は瞳に魔王だけが映る様に向けて、目玉を地面に置く。目玉は見事な球体をしてるから、手を離すと転がっていってしまいそうだ。


「んん?」


 何やら、目玉が熱い様な……抱えてた時もそうだっただろうか? わからないが、もしかしたら何かの力を使ってるとき、熱を発するとかあるかもしれない。だって熱はエネルギーな訳で、そして力はパワーであってイコールでエネルギーである。なら力を使ってる時に熱を持つのはおかしくない。


 そして熱いって事はつまりは今、熱を持つような事をしてるんだ。


「やばいみたい!」

 

 きっとこの瞳には何か映ってるはずなのだ。それはもしかしたら魔王の重大な秘密とか、黒歴史とかだと思うと……ウズウズしてたまらない。一体……一体どうすれば……


「な、なんかわかんないけど、接続!! 外部接続を要求する!」


 するとなんか頭に文字列が現れた。だから読めない文字で表示しないで、頭痛くなるから! 最後に何やら選択出来る項目がある。


「なに? 利用規約?」


 そんな雰囲気が感じれる。きっとこれイエスとノーでしょ最後の。同意したらイエスでしないとノーなのだ。問題はどっちも文字数的に同じだからどっちがイエスかわからない。まあでも二度とアクセス出来ない訳でもないだろうから適当に選んでみた。


 すると目玉を支えてる手の先端から、なにやら細い何かが出て、それが目玉にまとわりつく。すると、頭に何かが……流れてくる。それと同時に、周囲を映してる画面も砂嵐になって、私と同じような映像と音を流し出す。


『ほーらほら、※※※※ちゃんおもちゃですよ~』


 そう言って丸々とした豚かイノシシかわからないそんな奴がメイド服の様な物を着て更にはオモチャと言い張るグロいテカテカした大きな虫を押しつけてくる。虫はキモい六本の脚をわしゃわしゃしてた。


「うげー! きっもおおおお!!」


 この豚、虐めてるだろ――と思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ