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(恐ろしい事は……このお茶や菓子を魔法だと認識させなかったことだな)


 俺は警戒してた。この菓子やお茶に何か毒的な物が仕込んであるかもしれないと。それだけ警戒してたにも関わらずコレ自体が魔力で出来たものだと気づかなかった。それは恐ろしい事だ。


(どこに力を入れてるんだよ)


 砕けたお菓子を見ながら、俺はそんな事を思う。だって俺はかなり警戒してた。方向性が違うとはいえ、魔力を流してたんだ。なのに……本物?

 というか魔力の塊とはきづかなかった。確かにそういう方面が得意なわけじゃない。俺は有り余る力で、大きな威力を出すタイプだったからな。でも、更に圧倒的な巨大な力を前にして、更に自分を高めるためにはどうしたらいいか、考えた。

 もっと細かな事も出来る様にと、色々とやってる。それにこの体は高性能だ。前の体では難しかったことだって、ドンドンやれる。この見落としはきっとこの体のせいじゃない。俺自信が、自分自身を過信してたせいだろう。


 まあそれから呆れたように、このお菓子やお茶の魔法としてのレベルの高さもある。こんな時限式の様な世界なら、もっと魔法は戦闘系に使うべきだと思うんだが……なぜかそれらの魔法はまだみことない。

 なんとなくそれっぽいのはあったような気もするが、純粋な魔法攻撃って奴はない。せいぜい魔法的に体を強化する……とかだけだ。それも俺がやった奴の方が遥かに効果が高かった。あれは結構見様見真似だったんだけどな。

 昔の仲間の見様見真似。でもそれでこの世界の住人達が頼ってた『血浄』よりも劇的な効果が出た。ようはこの世界の魔法のレベルは低い……と思ってた。でも……このお菓子やお茶は別格だ。俺が居た世界でも、魔法でここまでの物を作り出すことはできてなかった。


 なんでこれだけこんなに技術が突出してるんだろうか? こういう物を、この世界の人達が望んだからか? でもそれは違うだろう。正確には、ペニーニャイアンとかのこの世界を支配してる層がそういう方向にしか魔法を使って無いのかもしれない。


 下の方では日夜砂獣との戦いが続いてる。いや、夜はないけどさ。でもとの街も砂獣の襲来の給付と隣り合わせだったはずだ。だから武器や、道具を常に新しくとか、開発とかしてた。少なくともアズバインバカラではそうだっだ。


 でも不思議と魔法の事はなにもなかった。ラパンさんが言うには、魔法関連は協会の領域だから、勝手に研究とかするのも駄目だとか。そんな事をしたら異端審問に掛けられるらしい。酷い話だ。


 だってその役目を唯一請け請け負ってる協会の総本山では、武器や攻撃に使える魔法ではなくて、こんな……いくら食べても栄養にさえならない研究に明け暮れてるんだからな。


 多分この中央は忘れてしまってるんだろう。隔絶されすぎて、外の世界……いやこの世界の現状を忘れてしまってる。

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