表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
299/1568

208

「そんなにお強いんですか。ふふ、ローワイヤが夢中になるのも仕方ないかもしれませんね」

「そんな……夢中だなんて……」


 ペニーニャイアンの言葉でローワイヤさんがくねくねしてる。なんか普通にいい感じの和んだ雰囲気になってるけど、忘れてないよな? この人貴女のこと、殺そうとしてましたよ? いや、まあ警戒されてると、困るんだけどね。一応あの仮面の奴らは引き渡したが、彼奴等から情報が漏れる事はない。

 そういう縛りはつけてるし、もっとエグい、それこそ記憶を取り出す方法があったとしても、そこらへんの改竄もしてる。だから一応俺達はこの中央では狙われてる事はわかってるが、それがペニーニャイアンである……とまでは判断できてない上体だと向こうには思わせておきたい。

 その方が向こうに油断が生まれるだろうしな。だからある意味でこの演技力……そう演技力だよな? はローワイヤさんはなかなか凄い。まるでいつもの日常が戻ってきたかのような振る舞い。


 実際、ちょっと前はこうやって過ごしてたんだろうなってのが見える。ペニーニャイアンとピローネとそしてローワイヤさん。どの程度の頻度で会ってたかとかはよくわからないが、此の三人はとめどなく話が続いていってる。てか止まる気配がない。

 入りどころがないな。さっきまではローワイヤさんが中心で妄想の運命の出会い編を語ってたが……今はピローネが今の中央で楽しい事をいってる。主にお菓子の事だ。最近は中央ではおかしブームらしい。


「確かにこういうの見たことないかも?」

「そう言えばアズバインバカラではどうなの? ここと同じ様なおかしあるの〰?」

「うーん、流石にここよりもレベル高いのはないかな」

「ええーそうなんだー」


 それを聞いてピローネは残念そうだ。その後にこういった。


「美味しいお菓子がないなんて、信じられないよ。協会でお菓子がいかに素晴らしいか喧伝して、もっと別の街にも広めようよペーニャ!」

「まあそれもいいですけど……」


 いいんだ。まあ確かにアズバインバカラで出てくるお菓子と言ったら、木の実とかを使ったのが殆どだ。こんな砂糖をたっぷりと使って、更に宝石の様な飾り付けてるのはそうそうない。


 どれもこれもアズバインバカラで食べたやつよりも甘みが強くて、俺的には一つで十分なんだが……ペニーニャイアンやピローネ、更にローワイヤさんも、お茶を飲んで口の中をリセットしてるのか、さっきからよく食べてる。


 でもこれだけ甘いものを食べてても、誰も太ってないんだよな。庶民たちが太れないのは、それだけ食糧事情が厳しいからだ。でも彼女たちは違うだろう。それこそこうやってお菓子なんていくらでも食べられるし……ご飯だって……


(うん?)


 そこで俺は気づいた。一応手元に何もないのは失礼なのか、もてなす側(一応)のペニーニャイアンが俺の前にも同じ様なお菓子を置いてる。それを一応フォークでザクザクしてたら、砕けたお菓子が消えていくじゃないか。


(これって……魔法か?)


 まさか、このお菓子とかお茶って魔法で作り出したものなのか? どこかからから引っ張ってきたんだと思ってたが、もしかしたらそれは俺の勝手な思い込みだったのかもしれない。

 そうなると、やっばり既に攻撃は始まってる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ