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 俺は時々ローワイヤと共に、ピローネやペニーニャイアンにイジられつつ、お茶の時間を過ごしてた。実際話す機会はあんまりない。せめて相槌を打ったりしつつ、ローワイヤさんに視線を向ける程度だ。するとそれを目ざとく見つけたピローネにからかわられたりね。


「あー二人で何か通じ合ってるよ〰」

 

 的な事を言われて、ローワイヤさんがワチャワチャしちゃうのが流れに成ってる。ペニーニャイアンとピローネは詳細に……いや、ローワイヤさんは気づいてないかもだけど、やけに詳しくいままでどうしてたのか、聞き出そうとしてる。砂獣に襲われて、それからアズバインバカラで目覚めて、そこでの色々。なんかやけにアズバインバカラの内情とかを聞いてる様な……でも中央なんだから、ラパンさんの動きとかわかってそうではあるが……


 まあ実際はローワイヤさんは俺との出会いとかを想像を巡らせながら話してるだけだから安心だけどな。実際横で聞いてると、きついけど……だってそんな事なかったよね!? って事がなんか追加されてる。

 まあローワイヤさんのフィルターを通してるだけなら、俺と彼女でその場面の印象が違うんだろうなって事でわかる。でも……明らかに想像の部分とかある。特にローワイヤさんが砂獣に襲われたときの場面だな。


 そのときの場面って俺は実際全く知らない。だってローワイヤさんを救ってアズバインバカラまで運んで来たのは俺ではない。ジゼロワン殿だ。だからありえない……俺が彼女を救った……という場面。

 けど今、ローワイヤさんはピローネとペニーニャイアンさんにその場面を生き生きとそして悠々とどれだけ感動したかを語ってる。


(いやいや、お前絶対にその場面見てないだろ?)


 と思って我慢してる。いやもしかしたら、ジゼロワン殿が助けた瞬間を実は見てた――って可能性もある。あるけどどっち道妄想なんだよな。だってローワイヤさんを砂獣から助けたのはどのみち俺ではないし。


 良くもまあ……いや本当によくもまあこれだけ熱を持って話せるものだと思う。でもおかけで、ペニーニャイアンが欲してそうな情報には多分毛ほども触れてないだろう。まあ時々、


「本当ですか?」


 とか確認めいた事を聞いてくる。多分、ローワイヤさんが盛ってると気づいてるんだろう。でも俺も「ええ」「まあ」という相槌で交わしてる。本当はこっちも色々と情報がほしいが、とりあえずはローワイヤさんに気持ちよくなってて貰おう。

 ピローネはともかく、ペニーニャイアンはなるべくこっちに悪印象は思わせたくないのか、まだまだ猫をかぶってるつもりらしいしな。色々と俺はこの部屋の中に視線を巡らせてた。

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