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「ちょっ!?」


 ローワイヤさんが入った直後にもとに戻りだした黒い鏡。それはつまり、ペニーニャイアンが俺の事を締め出そうとしてると言うことだ。

 ピローネの言葉を信じるのなら、そういう事になる。なにせペニーニャイアンはこの建物全体を掌握してるはずだからだ。そこでピローネの奴が嘘を言う必要性もないしな。そうなると、やっぱり俺という存在はペニーニャイアンには許されてなかった……と見るべきだろう。


 先が見えなくなり、腕に痛みが走る。俺は力を込めて腕に力を満たした。それによって痛みは止まった。もしかしたらこれ、本当なら腕が落ちてたんじゃないかか? なんか空間的な裂け目的な感じで、ボトッと成ってたきがする。


(やってくれるな)


 でも俺は自分の力で俺の腕をこの黒い鏡が通過する事を許してはなかった。この世界の人々では多分これに抵抗する事は出来ないだろう。なにせそこまで自分の力を認識して使用してる者たちは少ないからだ。でも俺は抵抗してる。


 よく見ると、この黒い鏡は紙一重で俺の皮膚には触れてない。いや、触れてたとしても、今の俺の体は特別性へとなってる。実際、これで落ちる程に軟ともおもえないんだが、俺の力がこの黒い鏡を阻んでる。まだこの先はちゃんとローワイヤさんが進んだ部屋へと続いてるはずだ。

 もしかしたら自由自在にペニーニャイアンがこの建物の構造を維持れるのなら、一度彼女と離されたら同じ扉を開けたとしても、ローワイヤさんは居ないなんて事もありえる。

 

 けど、全てに置いて万能な力なんてないものだ。きっと建物を操作するにも何か条件が必要なはず。それがこの黒い鏡が完璧に閉まるということかも。それならまだ間に合う


 俺は腕に迫ろうとしてる黒い鏡の隙間に空いてる左手を突っ込む。そして無理矢理押し広げる様にしてみる。するとビキバキと黒い鏡にヒビが入って底から光が漏れ出してた。すると、抵抗するように黒い鏡自体も修復しようと俺の手に抵抗する様な感じがする。


「甘いな」


 俺は一気に左手を動かした。そこに抵抗はなかった。わずかばかりの抵抗を最初に感じたが、それだけだ。俺が左を思っいっきり動かすと、黒い鏡は抵抗できずに、その形をバラバラにした。バリーンという音と共に、ローワイヤさん達の姿が向こう側に見えた。


(良かった、ちゃんと繋がってて)


 予測は正しかったらしい。ちゃんと向こう側に居てくれてよかった。


「どうしたんですか勇者様!」


 ローワイヤさんはどうやら俺がペニーニャイアンに阻まれてたのに気づいてなかったらしい。ローワイヤさんがこっちに駆け寄ってる間に俺はこの部屋の奥にいる女性に視線を向ける。白いドレスに身を包んだ縦ロールがいっぱいの綺麗な女性が豪華な扇子のようなもので口元を隠してる。


(あれがペニーニャイアンか)


 間違いなくそうだろう。彼女は一瞬見開いた目をすぐに鋭くして、こっちを見てた。


(よく考えたら、壊すのはまずかったかな?)


 なんかそんな気がしてきた。

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