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 廊下も壁も内部まで鏡面に成ってて、一歩踏み出すと、至る所に自分が反射されてて、方向感覚なくなる……そんな建物内部だった。俺達はそんな鏡面だらけの廊下をゆっくりと歩いてる。ただまっすぐに進んでるはずなのに、本当にそうなのかって思う感覚に陥る。

 

(なんだか嫌な感じだな)


 俺はそんな事を思ってた。すると前を歩いてるピローネが言ってくる。


「ローワイヤちゃんはともかく、驚かないだね。珍しくないのかな?」


 初めて俺に視線をくれた様な気がする。今までははっきりとローワイヤさんだけをみてたのに、今はピローネは明らかにちゃんと俺を意識してる。


(あれか? ローワイヤさんが伴侶とか言ったから?)


 あれはただ彼女が一人にならないための施策だったが、まあそれはピローネとかペニーニャイアンとかに知られる訳には行かない事だ。でもそれでピローネが俺の事も認識したのなら、こっちから話せる事もある……


「珍しいですよ。十分驚いています。むしろ驚きすぎて声が出ないんですよ」

「へぇーそうなんだ」


 なんか冷たい声だった。視線をそらしつつ、周囲の鏡でピローネを伺うが、なんか目があった。どうやらわかってたらしい。恐ろしい幼女だ。やっぱり彼女はただ無邪気な幼女ではない。別に俺が驚いてないってわかってたか。

 いや驚いて居ないわけじゃない。でも俺もたくさんの経験をしてるわけで、だからこそそこまて驚くこともなかっただけだ。でも素直そう言うと、彼女がへそを曲げるかもしれない。一応機嫌はとっておきたい。


「そうですよ。こんな不思議な建物初めてです。この建物は魔法で?」

「さぁー、私はよく知らないよ〰。でもなんでもペーニャの思い通りだからね。いたずらしても直ぐバレるんだよ〰」


 ふむふむ、ようはペニーニャイアンとかいうやつは、この建物の全てを把握できるって事か? 多分だけど、魔法がこの建物には通ってる。さっきから、視線も感じてる。多分ペニーニャイアンとかいうやつの視線だろう。実際この建物を外から見た感じは、この通路と先にある部屋だけ……なんて事は絶対にない。


 色々と中をいぢれるのは間違いない。そうこうしてる間に、俺達は黒い鏡の前にたどり着いた。


(なんだこの鏡?)

 

 姿を反射してる透明度的に鏡のようだけど、鏡面部分が黒い。黒い鏡ってやつは初めてみた。これは純粋に驚いた。実際めっちゃ磨いた鉱石とかかもしれなぽ? いや、もしかしたら砂獣の外殻とかか? 


「ペーニャ来たよ〰」


 そうピローネがいうと、黒い鏡に目玉がギョロっと出てきた。僕はぎょっとするが二人は普通にしてる。そして目玉がギョロギョロとして俺達三人に視線を順に流していく。そしてもう一度黒い鏡に姿を隠すと、波打って丸くくり抜かれた。


(やっぱり砂獣じゃないのか?)


 あんな変な砂獣がいるかは知らないが、中央の奴らは小さな砂獣を飼ってる。ありえなくはない。俺は警戒しながら、ピローネ、ローワイヤさんの後に続く――


(ちょっ!?)


 ――するといきなりローワイヤさんが通った後に穴が元に戻りだす。俺は右腕をとりあえず突っ込んだ。

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