表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
286/1568

195

「どういう事だ!! なんで!」

「おい! 生きて――るわけないか」


 賞金稼ぎの奴らが今の光景に思わず動き出したが、時既に遅かった。さっきの猟奇的な光景は映像とかじゃなく、現実みたいだ。小屋の内部には血の匂いが充満してる。

 これを見せて入らせるって……何? こうなる覚悟をしておけっことか?


「警告かなにかなのか旦那? ヤバいぞここのヤツ」

「中央の奴らは全員ヤバいんだと思いますよ」


 今の所、中央に全くいい印象ってないしな。ここに来てから、アズバインバカラがどれだけいい街だったかを実感してる。確かにここみたいに発展なんてしてないが、上も下も、向こうはもっとずっと近かった。それにちゃんと上は下の事を考えてたしね。

 そして下の人達は一生懸命、生きていた。こんな絶望しかないような世界でもちゃんと希望をもって生きてたんだ。でもここはどうだろうか? 確かに中央はすごく発展してる。でも……皆、壁の向こうを見てない様な……そんな気がここに来てからずっとしてる。壁の中しか見ずに、外はまるでないかのよう。


「やばい……確かにそうかもですね」

「ローワイヤさん……見ないほうがいいですよ」

「いえ、慣れてますから」

「慣れ?」


 ローワイヤさんはなんかいつの間にか馬車を降りてこっちに来てた。その後ろについてきてたメイドの人たちの方が小屋の光景に口を抑えたり、馬車に戻ったりしてる。フェァも口を抑えてはいるが、なんとか耐えてる。一番こういうのに耐性なさそうなローワイヤさんは全然平気そう……というか、その目。まさにゴミを見るような目してる。

 慣れってのはそういうことか? そんな事を思ってると、小さな子どもの声が聞こえた。


「あっ、ちょっと駄目だよそこの人! それはピピとメメの餌になるんだから」

「ピピとメメ? ――つっ!?」


 無邪気な子供の声に俺達は門から奥に続く道を見た。その瞬間寒気がした。だって、子供……うん、子供は子供だ。とても可愛らしい幼女がリードを引いて、両脇に動物を侍らせてる。その動物が問題だ。

 黒光りする硬い外殻に幼女よりも数倍デカイ図体……あれは砂獣なんじゃないか?


「「「砂獣!?」」」


 そうおもって賞金稼ぎの皆は武器に手をのばす。けどそれをローワイヤさんが鋭い声でとめた。


「やめなさい! お久しぶりねピローネ様」

「あぁ! ローワイヤちゃん! ええーどうしてここに? 太陽に行ったって聞いたよ?」


 知り合いか……とりあえず俺達は成り行きを見守る事にする。彼女ピローネと呼ばれた幼女が連れてる砂獣が気になるが……ここは我慢だ。まあ砂獣に比べたら小さい方ではあるしな。幼女が並ぶから大きく見えるが、普段俺達が見慣れてる砂獣と比べれば全然小さい。

 そうおもってると、ピローネが小屋に向かってこういった。


「まずはお掃除しないとね。ピピ、メメ、お食事だよ」


 すると砂獣は幼女から離れて小屋の中へと入っていく。そして何やらバリバリボリボリとした音が……そしてそれをなんのためらいもなく幼女が命令してる。顔色一つ変えずに……だ。とんでもないぞ中央。

修正しときました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ