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「すみません、よろしいでしょうか?」


 そういうけど、何やら反応してくれない。聞こえなかったのかな? とかおもって、何回か声を掛けるが一向に向こうは何も返さない。いや、一応……というかめっちゃ目あってますよね? なにせこの門の側の……というか併設してる建物は門番というか、訪ねてきた人の為にここに待機させてるんだからな。

 だからこの中の男女二人はこっちをめっちゃ見てるんだ。なのに反応しないって何だ? よしんば、俺の声が届いてないとしても、何度も呼びかけてるってのはわかってるんだから、反応してくれてもいいじゃん。それなのに、まるで能面の様にしてふたりとも座ってる。どちらも若い感じの男女で身なりはキレイだし、外見だって華やかな二人だ。 

 この中央特有のかっちりとした服を来て、姿勢良く座ってる。男性の方は紺色のスーツみたいなのを来て、女性はまたシック気味な色のブラザーみたいなのだ。


「あいつら、ふざけてるぞ。きづいてるだろ。おい!」

「やめろ。権力者の家だぞ。下手に暴れたらいいきっかけを与えるだけだ。たぶん僕達がここの作法をわかってないだけだ」


 多分だけど……だってあの二人、明らかに緊張してる。ふざけてるようではない。多分あの二人のあの感じは僕達の事は関係ないのでは? とりあえず門をもう一度よくみる。門の端っこの方には小さな扉があるから、そこが併設された小屋につながってるんだろう。来客を知らせる手段としたら、ノックでは? 


 そうおもって腕をあげて気づいた。なにか扉の丁度いい位置に書いてあるぞ。いや書いてあるというよりも、そういう装飾がされるのか。ただの金持ちの無駄な金の使い方だと最初思ってた。でもこうやって見ると、なにか意味がありそうに思える。


「どうしたんですか旦那?」

「いや、どうもこの扉が臭くて」

「なるほど、金持ちのくせに扉くらい掃除しててほしいっすよね」


 違うそういう臭いじゃない。まあ今のは俺の言い方が悪かったのかもしれない。突っ込むのはやめておこう。でも何かあるとは思う。装飾は丁度中央がぽっかりと開いてる。てかよく見ると、ドアノブとかないし……絶対にこの扉には秘密があるだろう。


「これは……」


 装飾がぽっかりと空いた場所に手を置いた瞬間、何やら感じた。少し暖かくなる感じ。でもこれは何もわかってない奴がやっても気のせいで済ませてしまうだろう。力の流れを感じる。一番流れがスムーズに流れるところを自分の力を逆に流し込んで探ってそのとおりに装飾をなぞる様に指を動かした。

 するとガチャっというと音と共に、ゴゴゴゴという音と共に扉が開きだした。


「「「「バカな!」」」


 なんか仮面の奴らが信じられないとでもいいた気な声をだしてた。そして小屋にいた二人もなんか青ざめてた。どうやら、何かやってしまったらしい。そな風に思ってると――


「いやあああああああ!!」

「やめてくれえええええ!?」


 とかいう声を二人が発したと思ったら……小屋の中で座ったまま体が引き千切られて御亡くなりになった。どういう事だ? 理解できないぞ。

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