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「おほん、そうですね。うん、哀れですね。彼らはとても哀れな生き物です」


 なんか必死に取り繕った様な事を言ってるくるローワイヤさん。いや溢れてるからね。こんな小汚い……いやっめっちゃ汚い人たちどうなってもいいって感じがかくしきれてない。


「ローワイヤさん、貴女が元の地位に戻れば、彼らは助けられるますか?」

「それは……難しいと思います……やる意味も……」


 なんか最後の方でボソッと聞こえたぞ。彼女的にはかなり小さな声だったから、こっちまで聞こえてないと思ってそうだけど、体が高性能になった俺にはバッチリと聞こえていた。


『やる意味もない……』


 はっきりとそう言っていた。わかってた事だ。そういう献身みたいな心を彼女に期待してたわけじゃない。でも……協会という立場に身を置くものなら、そういう心を少しは身につけていてもおかしくない――と思うのは異世界の偏見なのだろうか? 


 確かに世界を渡れば、常識さえも変わるものだろう。俺達はまだ2つの異世界にしか行ってないし、またまだよくわからない事は多い。でも比較的共通する事もここには多いとも思ってる。同じ様な見た目だし、言語は実はさっぱりだが、そこはこの高性能なボディが上手い事やってくれてる。まあこのボデがというよりは、ジゼロワン殿が……だが。

 

 どうやら膨大なデータみたいな物があの方にはあるのか、それのデータを俺達に適応させる事で、俺達は学ぶ……なんて過程を踏まずにこの現地の人達と意思疎通が容易にできてる。

 最初は少し翻訳が怪しいときも時々あったが、日夜データは更新されてるから、今や固有名詞意外は完璧だと言っていい。


 まあつまりはこの世界の仕組みはぜんぜん違うが、営みは俺達の元の世界にそこまで変わりはないって事だ。


(流石に俺達の世界の教会はここまで腐ってはなかったな)


 こうやって他の世界に来ると、自分たちの世界はまだマシだったんだなって思う。まあ流石にこの世界は……流石に厳しすぎるとは思うけど。でもそれなら、脅威に立ち向かって更に位置団結しそうなものだが……どうやら人とはそう単純じゃないらしい。


「そうですか。ではどうすれはいいんでしょう?」

「どうすれば……ですか勇者様?」


 なんかローワイヤさんはまだこの話をするの? 的なニュアンス出してる。まあ彼女にはなんの関係もないし、それに多分、自分の事意外にかまけてるのがローワイヤさんは嫌なんだと思う。

 でもこの場所はどうにかしたほうがいいと思うんだ。だってここは中央なんだ。多分ローワイヤさんや、この仮面の奴らはそんな事を認めてなさそうだけど、ここは間切れもなく、中央で……そしてここは中央の一番下だ。


 階級とか地位の話じゃない。物理的な意味での下。つまりこの上に中央のきらびやかな部分があるわけで……


(このままじゃ、近く崩壊するんじゃないか?)


 俺はそう思ってる。

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