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「我々は……」


 仮面の奴らは案の定だけど、なかなか口を開かない。そもそも口があるのか……いや仮面のせいで見えないからね。しかも俺はあの仮面が直付けなのを知ってる。声が出せるのはわかってるけど、どうやって声を出してるのかは謎なんだ。


「おい、さっさと白状したほうが楽になれるぞ」

「ああ、痛い目にあいたくないならな」


 賞金稼ぎの奴らがなんかめっちゃ悪者っぽい事を言ってる。その見た目でそんな事を言ってたらまじでヤバい奴らだからな。だがそれには仮面の奴らは反応しない。どうやら高貴な身分でないと会話は出来ないようだ。


「あなた達を悪いようにはしませんよ。なにせ依頼主は潰しますからね」

「貴方には……もうそんな力はございません」

「それはどうかしら? あなた達も体験したんじゃないかしら? 勇者様の強さを。だからこそ、ここでこうやって縛られてるってことでしょう?」

「勇者……」


 この世界には別段勇者が特別な意味で使われてるわけじゃない。同じく魔王もだ。だから皆、俺の名前が勇者だと思ってる。ローワイヤさんの言葉を聞いて、仮面たちはこっちを見る。奴らが抜け出せないように体を拘束してるのも俺が魔法で作った縄だからな。表情は仮面でわからないが、睨んでるきがする。いや、恐れ……かも? 


「確かに、あの者は驚異になる」

「でしょう。あまり砂の底から這い上がってきた者を舐めるものじゃないわよ?」

「確かにあの者は脅威でしょう。たが……一人ではどうしようもない。他は……戦力とはなりえませんよ?」

「「な! なんだとこの野郎!!」」


 バカにされて賞金稼ぎの人たちが声を荒げる。でも実際、その言葉は真実だと俺は思ってる。そしてそれはローワイヤさんもそのようだ。


「わかってますよ。彼らはただのハリボテです。私の戦力は勇者様ただ一人。私の伴侶はあの方だけです」

「そうですか」


 ちょっと待とうよ。なんでそこで納得してるんだ? 今おかしな事を言ったよね? 伴侶って言わなかった? 伴侶って言ったぞ。俺はローワイヤさんの伴侶になった覚えはない。


「またその美貌で落としましたか」


 おい、爆弾発言を仮面の奴らもしてるぞ。またってなんだ。またって。いやローワイヤさん、その地位に生かして確かに遊んでいそうだけど。一応聖職者……ですよね? 


「俺達はそういう関係じゃない。お前たちは、上の奴らの情報とあの変質してしまった人たちの戻し方を教えろ」

「あれはもう元には戻らん」

「それをわかってて、やったのか?」

「使いみちがない奴らが、道具としての意義を見つけたのだ。これで奴らは太陽に迎えられる。なんの問題があろうか」


 ヤバいな……わかってたが、宗教こじらせてる。多分コイツ等にとっては死は恐怖とかじゃない。死んでもその楽園とかにいけるって本気で信じてる奴らだ。そしてやっぱりだけど、変質した人たとは元には戻せないらしい。仕方……ないか。

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