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 中央「ドリアランド」はとても建物が密集してて、更に高い。なんか所狭しと、建物があった。壁から出ると、普通は広くその町並みが見えるんだと思ってた。少なくとも、空がこんな狭く見えるなんておもってなかった。一応この壁から一本伸びる大きな道が大通りなんだとは思う……が、すぐに違う建物がアーチ的にその大通りを横断してるから、速攻でまた壁にぶつかったみたいだ。


「なんだぁこりゃあ!?」

「火事でも起きたらやばいな」


 なんか賞金稼ぎの奴らが面白い事を言ってる。いや、たしかにこれだけ建物が密集してたら、火事起きたらどんどん燃え広がってヤバそうではあるけどね。


「中央は特別な場所なのですよ」


 そういうローワイヤさん。その顔はなんか得意気だ。こんなすごい場所……実際、俺のもとの世界でもなかった。王都とかも言ったことがあるが、ここまで建物が密集してる事はなかったし、すべての建物がこんな見上げないと行けないなんて事はありえなかった。だいたい、偉い人達がでかい屋敷とかを盛ってて、高い建物なんてのはそれこそ城や塔とかだけ……みたいな物だった。でもいうなれば、ここは全ての建物がその塔クラスに高い。だからだろうか? 地上にはそんなに人がいないみたいだ。道も至るところから坂になって、上に続いてる。それに建物の中をぶった切って道が入ってて、多分だけど、建物の中でも分岐してたりするだろう。

 複雑怪奇な道してる。


「さて、早く目的地にお願いします。あまり立ち尽くしてますと、妨害がきっと入りますよ」

「つっ!」


 何かがとんできた。それは数センチ程度の針だ。しかもまっすぐじゃない。なんか建物を回り込むようにして、極細の針が馬車へと迫ってきたから僕がそれに対処した。


「どうしたんですか? 勇者の旦那?」


 俺の突然なアクロバティックな動きに度肝を抜かれてる賞金稼ぎの奴ら。まあ気づかないのも無理ない。

 

「まさか……もう……ですか?」

「顔を出さないでください。てか、さっきの発言は予見してたんじゃないんですか?」

「ちょっと脅しておこうかとおもってただけなんだけど……」


 マウント取りたかっただけですか……まあおかげで気づけたけど。でも流石に早すぎる気はする。とりあえずローワイヤさんが狙われてるのは確実だし、俺は馬車自体に強化魔法をかけておく。何かを強化をしておくのは得意だからな。これでたとえこの馬車にたの中央の高い建物が崩れてきても、この馬車は守られるだろう。こんな針程度では抜くことは絶対に出来ない。でもここで止まっとくのは愚策だ。


「よし、以降。ローワイヤさん案内頼みます「

「え? 道なんてわかりませんけど……」

「「「…………」」」


 僕たちはなんとも言えない空気になった。でもそうだよね。ローワイヤさん偉いお人だもんね。こんな複雑そうな道、自分で覚えてるわけない。偉いやつってのは大体そうだった。

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