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「アインラザードの奪還が失敗して、そして中央の人達が本当かどうかわからないですけど、逃げだし事で不安が大きくなりました。だからズンジャイサンバの上の人達は、賞金稼ぎの人達を軍に強制徴収を始めました」

「そんなことを……」


 ラパンさんが信じられないと言う感じで聞き返したが、それにフェアは頷いた。賞金稼ぎのは街の統治者側が関わってない……とは言えないが、一応独立した組織なんだ。そして一応普段は相互不干渉みたいなそんな感じになってる。どの街でもそうなのかはわからないが、基本はそういう風になってるらしい。そもそも賞金稼ぎの奴らは軍には見下されたりしてるからな。仲がよくないのは確か。そんな関係なのに、兵力が足りなくなったから、軍に強制的に徴収するってね……


「まって、先の奪還軍には賞金稼ぎは参加してなかったの?」

「そうですね。邪魔だって言われたらしいですよ」

「ああ~」


 確かに言われそうな気はする。アズバインバカラは流石にそんな事はなさそうだけど、聞いてきたズンジャイサンバではやりそうだ。多分ここよりも賞金稼ぎへの蔑みとか凄そうだし。


「それで賞金稼ぎ達はどうしたんだ?」

「勿論、従わなかったです」

「だろうな」


 そんな簡単な奴らじゃあいつらはない。なにせ命張って砂獣と戦ってる奴らだ。めっちゃ粗暴だし、荒くれ者感がある。だからそうなるのはわかる。


「それで上の人達と賞金稼ぎの争いが勃発しました。当初は賞金稼ぎの人達の方が数も多いし、優勢だったですけど……上の人達は市民に手を広げたんです」

「どういう事だ?」

「賞金稼ぎの人達の家族とか……そういう人達を連行したり、向こうに協力する様な鍛冶屋の人とか、商人の人とかを罪人にして物を独占していったんです。そうなると、どんどんと色んな物が高くなっていって、そして手に入らなく成りました。街はどんどん貧しくなっていって、皆が上の人達に抗議に言いましたし、賞金稼ぎの人達を応援してたけど、その人達も弱ってたんで。なにせ水とかは元から上から下ろされてましたし……元からこっちに勝つ可能性なんて無くて、耐えきれなくなった賞金稼ぎの人達も軍の方に寝返って……すると何故かさっきまで仲間だった筈の人達を殺してて……リーダー的な人もその裏切った人に殺されてしまいました。

 それからは上の徹底的な管理と、理不尽の始まりでした。全ての物品とかを上の方に集めて、私達には何ものこらなかった。一日パン一つと水いっぱいで肉体労働を強要させられます。だから……皆、逃げ出したんです。なにせ軍は少なくなってるし、賞金稼ぎの人達がそれなりに寝返ったと言っても、市民の方が多いですから。上を倒すんじゃなく、私達は逃げる事を選んだんです」


 そう言い終わった彼女にどういう言葉を掛ければいいのか……俺はとりあえず彼女の頭をポンポンとした。ズンジャイサンバの上の奴らは何のつもりでそんな施策を打ったのだろうか? それで立て直せると、本当に思ってたのか? わからない。わからないけど、悪手だったのは確かだ。

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