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「あれは 『アインラザード』が落ちたという事が言われ出した時でした」


 そう言ってフェアの話しは始まった。彼女の口は重かったが、信頼は多分勝ち取れたんだろう。ラパンさんよりも俺が優しく諭したら話し始めてくれた。


「ズンジャイサンバは近くの街で、それに道も整備されてて、交流だってよくあったんです。そんなズンジャイサンバが落ちちゃったら……今度はここだって……皆が言ってました」


 フェアの言う事はもっともだな。一番近くの街が落とされたら、次は自分たちが危ないとおもうだろう。流石に人ごと……なんておもえない。どっか遠くの街の事が日数が経って伝わる程度なら、危機感も不安感も薄らぐだろうが、この世界には珍しく、交流まであった街がやられたのだ。道まで整備されてたのなら、援軍を送るのだって出来た筈だが……その猶予さえなくアインラザードが落ちた事は更にショックがでかかっただろう。だからこそ、ズンジャイサンバは混乱した。


「それで上の人達は軍を送る事を決めたんです。なにせ……」


 一度言葉を止めたフェアは俺やラパンさんを見てそして部屋を見回してこういった。


「ここですよね? 奪われた街を取り戻したっていうの……」

「確かに、我々はジャルバジャルを取り戻した。今はそこを復興してる所だよ」

「その話があったから、だからズンジャイサンバの人達も軍の派遣、アインラザードの奪還には賛成でした。それに、中央の方からも沢山の援軍が来るって事でしたし、ちょっと時間は掛かりましたけど……でもその間も皆が頑張っていこうって感じでまだ良かったんです。おかしくなったのは……」


 やっぱり奪還が失敗してから……だろうか? 希望を持ってた分、絶望が大きく感じるってのはよくある。それから色々とヤバい方向に……ってのもわかる。


「中央から軍隊と中央聖協会の人達が合流してからです」


 ん? そこなんだ。俺は自然とラパンさんの方をみる。なにやら彼は頷いてるけど……つまりはそれはラパンさんにとっては想像できたことなのかもしれない。俺は中央の事なんてしらないからな。普通に破綻のきっかけはやっぱり一番大きな出来事である、アインラザードの奪還失敗がきっかけだと思った。でもそれはどうやら自分の情報が足りないからそう思っただけみたいだ。


「中央の人達は横暴でした。ズンジャイサンバだってアインラザードが無くなって色々と困窮してたのに、色々な物を求めたんです。本当ならズンジャイサンバが事前に準備してた分で大丈夫だったのに余分な物資とか……それに到着して三日は遊びほうけてて、それでものすごく街が荒れました」

「うわぁ」


 なにそれ? そいつら山賊かなにかなの? いちおう軍隊と聖職者達だよね? なかなかに信じられないところがある……たが、中央って場所は、多分俺が思ってるよりも数倍は腐ってる……そう思っておいた方か良さそうだ。

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