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宵が明ける……


「ぜぇぜぇ……」

「ハアハア……」


 私と勇者はボロボロだった。なんでって? まあそれはちょっとした好奇心のたまものだ。私達はこの世界に来て最初期に宵で色々とやってた訳だけど、なんとも大変というか、危ないから大人しくしておこうって事にはなった。何かこの世界をもって深く知るまでは……って感じはね。けどついつい昨日の宵には変化があったのだ。だからついついね。ついつい街の外に出ちゃったら、世界を徘徊する巨人に襲われ、世界の崩壊と再構成に抗って……なんとか墜ちた所から戻ってきたから……この有様。私が何を見たのかというと、それはあの砂獣だ。私が産みだしたあの砂獣がなんか居たような? 気がした。


 あいつはぶっ倒した筈だから、そんなバカな――って思って追いかけた。すると勇者も付いてきた。結局の所、見間違いだったのかも知れ無いって感じなんだけどね……なにせログをみても映ってはなかったし。だけど……なにかもやっとする物がある。何かが私の胸につっかえてる。


『とりあえず私は休みます。ラパンさん達の対応、頼みましたよ』

「むむ……ずるくないですか?」

『ズルいと言われても、しょうが無いじゃないですか。私は喋れないんですよ?』

「そろそろいいのでは? ネナンというあの子がサンクチュアリ保持者なのかどうかを確かめるためにも、もうその設定はいらないかと」

『いえいえ、まだ早漏ですよ』

「いえいえ、もう充分です。自分や、魔王の下だと思われてるのは嫌でしょう?」

『いえいえ、私はそんな狭い心の持ち主ではないですよ』


 この野郎……勇者の奴、私に厄介事を分担させようとしてるな。私はただの遣いというか、物的な位置で楽してるからね。私へとラパンさんとかの偉い人達が何かを言ってくる事はない。けど、勇者にはそういう色々な厄介事が持ってこられてるんだよね。魔王もいるじゃんって思うかもだけど、あいつは……ね。話しをそんな聞かないし、関わろうと思う奴は少ない。普通に好青年に見える勇者が色々と割食うんだよね。

 まあけど良い思いもしてるとおもうけどね。なにせ勇者はイケメンである。この世界の男達とは違う白い肌に輝く金髪。透き通る宝石の様な瞳。それに長身なんだよね。だからだろう。はっきり言って、勇者はめっちゃモテてる。宮殿でもそうだし、街でもそうだ。しかもこんな世界だからかアピールも激しいんだよね。それにこの世界の服装はそもそもが露出多い。もうね、積極的に当てに行ってるよね。

 でも勇者は別に嬉しそうではないけど。寧ろ、やっかいそう。きっとこれだけイケメンだから、モテるのは当たり前って感じなんだろう。だらか女性の体なんて既に食い飽きてるとか? 最悪だね。


『私は、絶対に喋れるなんて、いえ、二人の上位者なんて明かしません。だから頑張りなさい、精々ね』


 そう私は宣言してやった。

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