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 マッチポンプまでしたんだから、多分あの鎧の騎士はこれ以上民衆を殺す様な事はしないと思う。多分だけどね。殺す時は容赦なく殺してたが、それはきっと砂獣を演じる為じゃないかな? 砂獣は人に容赦なんかしないからね。だからまあこのまま私が帰っても大丈夫だろう。そもそもが全員を救う気はない。あの砂獣がマッチポンプだとバラす方法もないんだよね。ここで喋れないって言う設定を崩す気はないしね。私が救うことが出来るのはこの手の内にいる人だけだ。贅沢は出来ない。まあもしも……もしも皆さんが皆殺しにされてたとしても、それは私のせいではない。だよね?


 なので私はさっさと帰る。鎧の騎士は私の事探してるしね。予想外の事が起こったんだから当然だろうけどね。でも私は既に離れてる。ズンジャイサンバを足蹴にして頭上を通り過ぎ、直ぐにアインラザードも超えた。私は色々と機械を放ってるから、ここからでも、向こうの動きがわかる。あの鎧の騎士は私の捜索は早々に諦めたみたいだ。沢山の点が鎧の騎士に群がってるのがわかる。多分感謝してる奴らが群がってるんじゃないだろうか? マッチポンプとも知らずに……てかあの鎧の騎士はちゃんと喋ったり出来るのかな? まあそこら辺は私が何か心配する事ではないや。


 夜になる頃には、私はアズバインバカラへとついた。そして再び抱え込んで来た人を勇者の前にぶら下げる。


「何やってるんですか!?」


 なんか怒られた。それに勇者は目を逸らしてる。あらら、よく考えたら、私は襲われてた人間をまともに見ずに救ってた。だから結構雑に扱ってたけど……この子女の子だよ。そんな子を足もって逆さにしてるとどうなるか……しかもこの世界の人達、結構露出癖だ。まあ薄い布がペロンって成ってるよね。だから勇者は顔をそらしてるのか。


「ちゃんと見なさい。この人は、とても重要な者なのです」


 なんとなく、偉っぽそうに言ってみる。そうすると、重要な事だって想って貰えるだろうし、勇者は魔王に取っては私は上の位置に居る上位者だからね。それなりの態度って奴が必要なのだ。


「重要とは?」

「それは……えっと……この者はそう、ここから遙か遠い街『ズンジャイサンバ』の者なのです!」

「なぜ……そんな遠い街の者がここに? 何をやったんですか?」


 なんか勇者の目が優しくない。それになんか疑いの色が見える……なに? 私が今まで何か迷惑掛けた事なんかあった? 私のしてきた事は基本良い事! その筈だよ! この表情は心外である。


「私も世界を知ろうとしたのです。なので散歩にちょっと。アインラザードが最近落ちたらしいじゃないですか、だからそこまでいってその先の街まで見に行ったのです。するとそこで色々とあってこの子を救出したのです」

「色々とは?」

「焦らないでください。目立つ所はこまります。外に出ましょう」


 一応私は喋れない設定だしね。今は別に声を出してる訳じゃなく、私は勇者の思考に直接言葉を届けてるから別段私の声は周囲には聞こえないが、勇者は普通に喋ってる。だから勇者が変な目で見られる。まあそれはいいけと、その光景を見て、私にも普通に言葉が通じ吊るとか思われてもね。厄介だし。なので一応は移動する。勇者には私の情報を渡して、ラパンさんに説明して貰わないといけないからね。

 

 この手の中の人は……まあしばらく眠ってて貰おう。大丈夫でしょ。

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