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「気が早い気がするけど……」


 確かにアインラザードは落ちた。悲惨な事になってしまった事はわかる。でもだからってあんな風に街の外に出るのは危ないのでは? 逆に情報がなさ過ぎて、あんな風に混乱してるんだろうか? この世界、情報なんて旅商人が持ち込む話くらいしかないからね。

 ある意味、情報が市勢の方には流れなくて、情報の統制とかしやすそうとか思ってたけど……逆におかしな方向に流れたのかな? 武力とかで止められそうだけど……


「殆ど軍がいないね」

『アインラザードの奪還に多く参加してたんではないでしょうか? ここが一番近いですからね』

「なるほど」


 アインラザードの奪還をもしかしたらここズンジャイサンバは喧伝でもしてたのかも知れない。でも蓋を開けて見れば、大惨敗。ここの軍隊もほぼ壊滅……そうなると、次はここだと市民達が思ってもなにもおかしくない。そして壊滅した軍では市民達を引き留める事なんてできなかった結果がこれ……なんじゃ? 


「さっき狩りをしてた人達はどこにいったんだろう?」


 この様子じゃ、市民のために……って訳じゃなさそうだけど。それとも、路地とかで行き倒れてる人達にでも振る舞うんだろうか? そんな事を思ってカメラを後退させる。街の中央付近には既にほぼ人が居ないから、見つけるのは簡単だった。どうやらピラミッドの方へと向かってるね。あそこにはまだ人がいるんだろうか? 真っ先に逃げ出しそうな物だけど……でもそっか、確か街を治める人には都市核の力があるから……そして都市核の力は範囲がある。あんまり都市から離れすぎると、その力は享受出来ない。


 だからここズンジャイサンバのトップの人は逃げられないんだろう。


「結構居るね」


 ピラミッドの周囲にもそれなりに沢山の人がいた。ぱっと見でピラミッドに集まってるのはこの街の上流階級の奴らだとわかる格好をしてる。服もそうだけど、決行太ってる奴がおおい。これだけで、私服をこいつらが溜めてたんだなってのがわかるよね。

 市民達が逃げ出したのも、軍が壊滅しただけじゃないのかも? つまりは奴らに求心力が無かったのでは? 


「なにやってるんだろう……あ」


 なんか見たことある変な格好の奴らがいるね。協会の奴らだ。てかピラミッドに集まってる奴らは何をしてるのか……一応鎧を着た人達も何人かいる。でもさっき狩りをしてた人達も鎧とかはしてなかった。だからなんかで部位奴らの周りにで微動だにしてない奴らはきっと軍の人達……馬で入ってきた人達が何やら報告して、更に人数を連れて出て行く。

 協会の奴らに焦点を絞って見てると、なんかピラミッドの裏手にいってるね。


「なにあれ?」


 ピラミッドの裏手に行くと、なにか祭壇みたいな感じになってた。地面に赤い線で魔方陣? みたいな物が描かれてる。そして私は気付いた……


「あの死体って……」


 なんか隅の所に人の山が……しかもカラカラの干物の様な人の山……そして赤い線で描かれた魔方陣……結びつけるのは簡単だ。


「人の血を使ってるんだね」


 悍ましいと思った私は間違ってない筈だ。

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