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「むむ!?」


 私はビックリした。なにせトカゲの尻尾切りみたいな方法で逃げ出した砂獣が更にその体を分裂させたのだ。上半身と下半身とかに別れたわけじゃない。なんと二人に分裂しやがった。でもその分裂に私的には意味なんてない。だって色んな側面からこっちは砂獣を見てるんだよ? 元のデータと照らし合わせると、どっちが本物かなんて簡単にわかる。まあまさか向かってきた方が本体で、逃げる様な態勢を取ってるのが偽物なのはびっくりだけどね。

 本当にこの砂獣は頭がいいね。普通なら、こっちが本体なんて絶対に思わないよ。まあけど私はわかってる。こっちに向かってきてる砂獣は完璧に私に狙いをさだめてる。でもきっと一撃だ。一撃をいれた振りして、こっちも逃げるんじゃないだろうか? 多分そんな気がする。


(ふふ、なら、付き合ってあげようかな?)


 そう思って私はちぎれてた砂獣の足を投げつける。そして更に腕を伸ばして払う様にした。向かって来てた方の砂獣は素早く腕から逃れて。残ってた翼の羽を一斉に跳ばしてきた。すると今度はその羽が私の……というかG-01の顔を覆ってる。これは物理的に覆ってるから、モニターが見えなく成った。モニターは仕方ない。とにかく映像として表示してなくても、数値やレーダーには移ってるから、手を伸ばせばまだ届く。


「うん?」


 なるほど……私が手を伸ばしたら、更に分裂しやがった。しかもなんか数値的に力が半減してる。今度の分身はどうやらさっきと違う。


「まさかこっちが見えてるってわかってる?」


 今度の砂獣の行動はそれを疑える物だよ。だって最初の分身は数値さえわかれば、簡単にわかる物だった。けど、今度のは完全なる分身……というか言葉的には分裂だ。単細胞生物が二つに分かれるみたいな……そんな感じ。つまりはどっちも本物だ。力だけを見ると……ね。だって完璧にその力は湧かれてるんだからね。どっちが生き残っても良い施策をしてきたって事は、こっちがそれを理解してると向こうも理解してるって事に……


「ああーもう! 幾らでも分裂しちゃえ!!」


 私は面倒になったからどっちかなんて選ばない。分裂したのなら二体ともぶっ飛ばすだけである。脳筋だって? それでいい。まあレーダーだけだし、近くと行っても、空間的には把握してないからね。はっきり言えば捕らえられるか不安だ。なにせあの砂獣は素早いしね。なので拳に力を溜める。拳が赤く熱せられ。それをこれまでじゃない比の速度で打ち出す。

 拳を突き出した後に音が弾ける。拳に感触はなかった。でも拳を向けた方にはとんでもない衝撃が伝わった筈

だ。どうやら流石にこれは予想外だったのか、分裂した一体は衝撃に吹き飛ばされた。もう一体も数値上的に半分くらい減ってるからかなりのダメージを負ったはずだ。

 ならもう一回と私は腕を振るう。再び同じように音が後で弾けて、砂中の反応は消え去った。


「仇は取ったよ」

『そもそもの原因は貴女ですけどね』

「うっさい」


 アインラザードの皆さんが喜んでくれてるのに変な事は言わないでほしい。うん、きっと喜んで……喜んでくれてるよね!

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