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 激しい殴り合いは激しい余波を巻き起こしてるが、それに気をやる余裕はない。いや、まだ私はG-01と完全シンクロして無いから余裕が無いわけじゃない。でも、この砂獣確実に強くなってる。私は撃ち合うごとに砂獣のデータを取ってる。まあ取ってるのは私ではなくAIだけど。


「どんな感じ?」

『正直、前の戦闘は早々に逃げられたので比較は出来ませんね』

「まあ、前は撃ち合うなんてしなかったしね」


 対等にやり合ってるように見えるが……いやそもそも見えないかも知れ無いけど、ちょっとずつ砂獣は推されてる。まあ私は派手な動きの割に、自分で動かす範囲はそんな大きくない。まあそれでも腕とかだるくなってきてる。でもそれくらいだ。


 既に目の前の砂獣は体がけっこうボロボロになってる。片翼はちぎれてるし、胴体も欠けてたりする。それに大使こっちはちょっとよごれてる位だ。実際、砂獣の攻撃は当たっても、走行がひしゃげる……とかはならないとわかった。まあ衝撃は伝わってくるけどね。

 でもそうとわかれば、大胆にいけるという物だ。多少攻撃を食らっても、カウンターでぶん殴るって事をやってたからね。まあ本当はカウンターって紙一重で避けて打ち抜くんだと思うけど、私にそんな技術はない。だから当たった後に殴るだけである。

 こっちが向こうよりも頑丈だから出来る戦法だね。殴った後は向こうも無防備になるから、確実に当たるという副産物付きである。そのおかげで、あのすばしっこい砂獣にも確実にダメージを蓄積できてる。さてさて、そろそろ決めたい所だ。


「ん?」


 そんな事を想ってると、大きく砂獣が息をすって、クビを膨らませた。それこそ、風船みたいにだ。このくらいは想定済みだ。あいつは一度逃げてる。そして私は砂獣も逃げる事するって既に学習してるのだ。なので二度目はない。

 あいつの狙いはわかる。大きく息を吸ったと言う事は、多分煙幕かなにかを吐く気だろう。そのすきに逃げるんだ。予想できれば、それへの対策も事前に出来る。赤外線センサーとかにしたら余裕だ。さあ吐いてこい――と私はほくそ笑む。


 息を吸うのを止めてG-01の顔の目の前で口を開いた。どうやら至近距離で煙幕を吐いて一気に視界を奪うつもりのようだ。私は「さあどうぞどうぞ」と言う気持ちだ。すると次のしゅんかん、何やら顔がのけぞった。そして手で確保した砂獣が離れたのがわかった。いや、私は離してない。だってとっさに力を込めたし。でも砂獣は遠ざかってる。


 どうやら体を自分でちぎったらしい。しかもさっきの煙幕じゃなく、空気を勢いよく吐き出したらしい。それで勢い付けて、体を吹っ飛ばしたというね……でもその程度なら追いつくなんて簡単だ。私から二度も逃げられるなんて思わない事だよ!!


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