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「いた」


 私は砂獣を見つけた。センサー様々だね。中心点に重なる様になってるから真下かと思ったけど、下は元から感覚的に意識を張ってるからそれはない。だって砂獣は大体砂から生まれるんだから、砂の方に意識を向けておく物だろう。

 でもそれでは見つからなかった訳で、そうなると……私はG-01の顔を上を向ける。そう……あの砂獣は空にいる。視界をズームさせると、青い空に黒い染みがみえる。まあ普通は絶対に見えないと思う。でもG-01なら見える。

 私は直上に跳ぶ。グングンと空を上がり、拳よりも小さなその黒い染みに腕を突っ込む。不思議な事に、その染みは全然G-01の拳よりも小さい。なのに拳はそれに吸い込まれる様に見えなくなった。なんだかチクチクするような? よくわからない。


「さっさと出てきなさい」


 私は更に腕を突っ込んだ。そして自重で落ちる前に勢いよく引き抜く。すると空にあった染みまでそれについてきた。私の手の中にあるそれにね。私の手の中では砂獣が暴れてる。ガツンガツンと頭をぶつけてきてる。でも私は離さない。一緒に地面に向かって落ちていく。このまま砂にでもなげようかな? とか思ってると、大きく砂獣の奴がその口を開けた。

 収束する力が口へと集まる。赤黒い光。一気にG-01の内部に警報が鳴り響いた。どうやらやばいらしい。私は撃たれる前に砂獣を下に思いっきり投げる。ぐるぐるしながら砂獣は砂漠へと一直線だ。けどそれでも砂獣は撃ってきた。上手くタイミングを見つけて、その光は私へと向かってくる。でもこっちだって当たってやる気はない。私は避けて、更に勢いをつけてキックしにいく。まさに某ヒーローの様なキックである。


 砂獣が放った攻撃は雲を裂いて空の彼方に行ってしまったが、それだけだ。確かに凄い威力があった。当たってたら、流石に無傷って訳にはいかなかっただろう。ても当たって無いんだからそんなのはもしもとかIFでしかない。


 勢いそのままに砂獣は砂に突っ込む。そこに数秒遅れてG-01のキックが突き刺さった。大きく砂が吹き荒れる。それによって埋まってたアインラザードの姿が僅かにわかる訳だけど、この蹴りで保ってた姿が一部ぶっ壊れてる。まあどうせ埋まってたし、いいよね。


 それにしても手応えがなかった。あの変な砂獣には翼があったのに勢いを弱めようともしなかったのは砂で目くらましをするためか。後ろをとった砂獣が至近距離でさっきと同じ攻撃を放つ。どうやらあれくらいなら、連発できるらしい。


 この世界でなら、充分に必殺の一撃なのにね。でも残念だけど当たらない。砂が舞う中、視界なんてほぼゼロだけど、G-01には様々なセンサーがある。それによって見えなくても見えるんだ。砂獣の攻撃を避けて、裏拳をぶち込む。当たったけど、吹き飛ばずに、その長いヘビの首を搦め手きた。そして勢いをつけて蹄でけってきた。G-01のクビがめっちゃ曲がる。


「ちょっ!? カメラ!!」


 いや、グワングワンするだけでみえるけど! 見えるけども!! 更に続けざまに衝撃が走る。こっちも負けてはいられない。至近距離での殴り合いみたいになってきた。誰も知らない、とんでもない戦いが始まったよ。

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