表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/1563

14

 私は深淵を走ってる。けど……


「どこまで広いのよここ……」


 そんな文句も言いたくなるくらいに広い。既に十分は走ってるぞ? 私はロボットである。数十メートルはあろうかという高さを有してる。その私が十分も走れば、それこそ数十キロは行くよ。私は車より速い自信があるから、かなり行っててもおかしくない。まあ全力で走ってるわけじゃないけどね。


 何せ周囲に視線を向けながら走ってる。何か無いかを探してるわけだからね。けど……今の所何もない。


「深淵には何もなかった?」

『そうでしょうか?』

「けど、今の所何もないわよ?」


 AIはまた何か知ってるんじゃないだろうか? そんな疑念があるけど……教えてくれない。なーんか秘密にするのにも理由があるんだろうか? まあそもそも知ってるかもしれないも臆測でしかないんだけど。


「あと少ししたら、元の場所に戻ろっか」

『そうですね』


 私はそう言って走る。けどやっぱり何も見つけられなかったから、二人と別れた場所まで戻る事にしたよ。こういうのって、もしかしたらあと少し行けば何かあるんじゃないかって思ってしまう。それが人の心理という物だと思う。


 けど大丈夫。私は大きいのだ。数キロ、数十キロ先まで見渡せる私なら、後ろ髪なんて引かれない。まあこの場所がずっと平坦だってのもあって見晴らしがよくてよかった。心気なく戻れる。でも困った事でもある。だって何もないと、ここから脱出する手段がない。こんなところで終わりとかイヤだよ? 


 私にはブースターがあるが、それも短時間しか持たない。到底落ちてきた距離を戻るなんて不可能だ。きっとあると思うけど……本当に何もなかったらどうしよう? ゲームや物語にちゃんと解決策があるのは、それは作り物だからなのだ。


 現実には解決できない問題なんて沢山あふれてるだろう。もしもこれもその一つになってしまったら、死活問題すぎる。私はそんなことを考えながら戻った。



 ふう……ある程度走ってると、何か違和感を感じる。戻った力に違和感があるのか……と思ったが、そんなことじゃない。ジゼロワン殿から分け与えてもらった絶好調だと言って良い。何か新しい技が今なら出来そうな気さえする。


 俺は身体能力を更に強化してみる。身体強化系の力の使い方は効率がいい。なにせ体外に力を排出するような使い方じゃないからだ。今は世界が違うせいで力の回復はジゼロワン殿頼みしかない。だからこそ力は節約しないといけない。

 体内で回せば、消費を最小限に抑えることが出来る。


(居る……)


 俺は胸に手をあてる。すると胸の中心が光ってそこから剣の柄が出てきた。これは思わぬ産物だった。どうしてこうなったからわからない。わからないが、俺と俺の世界の聖剣は魂レベルで同化してる。俺は柄を握って自分の中から聖剣を取りだした。

次回は17時に予約投稿してます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ