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 ネナンちゃんはあの壁ぶち破る走りをした後、寝てしまった。まあ力を使ったんだから疲れるのは当たり前だ。多分もう今日は起きないと思う。印象的だったのは、ネナンちゃんの教育係になった先生。あの人がなんかめっちゃ心配してた。


 ただの家庭教師的な人じゃないの? そう思ってたんだけど、なんかその人は私が宮殿に戻ってきて、手の中からネナンちゃんを出すと、駆け寄ってきて抱きしめてた。お母さんじゃないよね? ネナンちゃんの両親は既にお亡くなりになってるはず。それは確認してある。と、なると親戚とか? でもネナンちゃんはそんな反応してなかったような? 向こうだけ知ってる繋がりがあるとかだろうか? 


 まあなんであれ、ネナンちゃんを大切にしてくれるのならなんだっていいけど。とりあえずようやくきた勇者にネナンちゃんの溢れる力を吸い込むタングの事をラパンに話して貰わないと。直ぐに勇者はラパンさんのところへといった。そして何やら沢山の人たちが箱いっぱいに入ったアクセサリーを持ってやってきた。おいおい、それ全部がネナンちゃんの物とでも言うつもり? 二の腕を膨らませた男……まあ兵士だろうが、十人くらい箱を抱えてやってきたよ。

 しかもその箱いっぱいにきらびやかなアクセサリーがたんまりと入ってる。いやいや、子供に与えるにはしては過剰すぎでしょ。


「この量は一体?」


 勇者が私の言いたい事を言ってくれる。でも返ってきたのは、予想通りの言葉だった。


「すべて彼女へと送る予定の物ですよ」

「多くないですか?」

「いえいえ、このくらいは必要になります。ここでは薄い服ばかりですから、宝石でも体を包むのです」


 確かにこの世界の服は淡い色の服ばかりだ。あとは黒とかしかないね。体が透ける程の物だ。平均気温が高いこの世界では風通しが良くないと着てられないんだろう。でもだからって胸と下にだけ布を巻き付けてるのも、みすぼらしいから、そういうスケスケの服になってるんだろうけど、それじゃあ見た目的に寂しいから、宝石とかで飾る様になったのかな? 確かに宴会とかの時に壇上で踊ったりしてた女性はジャラジャラって音が為そうな位にめっちゃつけたけど……あれをネナンちゃんもやるの? ネナンちゃんの立場がどんな物になってるかよくわかってないが、ラパンさんが必要だと思って集めたのなら、そうなんだろう。

 まあ予想外に多いが……問題ははない。


「そうですか。ではいいですか? これをあの子の大きすぎる力を貯蔵する物へと変えます。それで今回の様な暴走はなくなるはずです」

「これだけの数です、全てと言われたので全て持ってきましたが……大丈夫でしょうか?」


 そんなラパンさんの言葉に勇者はチラチラとこっちを見てくる。私は意思を伝えてあげるよ。


「大丈夫です。頼む」


 私は皆さんの前ではあくまで勇者や魔王の使役してるような存在と言う設定だからね。私は勇者の言葉に反応して体を動かすように見せる。腕を伸ばして箱触れるか触れないかの所で一気にスキャン。流石にこの数を一個一個なんてやってられない。だからスキャンして、全ての形状を保存して、一気に力を通して取り込んで、タンクに変える。その間激しい光が光って皆が驚いてた。でも光は一瞬だ。そして光がやむと何も代わらない宝石がそこにあった。


「おわったのですか?」

「ええ、これで全てのアクセサリーはあの子の力を蓄えてくれます」


 その勇者の言葉に周囲の人々が感嘆の声を漏らす。ふっふーどうだ凄いだろ。とか鼻高々で居ると、賞賛されるのは勇者ばっかりだった。ちょっとちょっと! 

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