表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/1567

114

「よし、ここら一帯を取り壊せ。邪魔だからな」


 翌日になって元気になった……いや、元気になりすぎたラパンさんの息子がそんな事を言ってた。それは城の周りの一体の区域を指してるらしい。


「何をいっておりますか!? このジャルバジャルを支える民衆のためにはこれだけの人数が必要という計算の元にですな――」

「何を言っている――か。それは貴様だぞ。俺はこのジャルバジャルを奪い返すという偉業を成し遂げた。なら、更に街の範囲を広げればいい。それならば、文句はないだろう?」

「街の範囲を広げるなど……都市核の力が影響出来る範囲は限られております。外になると宵を超えることは出来ませぬ」


 私が連れて来たアズバインバカラのお偉い中年の男性が必死に息子を説得してる。けどわがまま息子な奴はその言葉に耳を傾ける様な事はしない。確かに宵は危険だね。世界がなんか作り替えられてるのか、更新されてるのかわからないが、街の外に普通の人が居たら人生終了だろう。けど、テントとかを張れば良いようだけど……あれも特殊なやつなんだっけ? てかずっとテント生活をさせるのは……ね。まあラパンさんの息子はそんな事気にしないだろうけど。


 でも普通に建物を増やして行く……とかではダメなのかね? 結局都市核の力の外では街外扱いなのかな? 


「ふん、なら都市核の力の範囲を広げれば良いだけだろう! そもそもが民衆など、そこらの家に詰めておけばいい。おお、そうだ。一つ一つに家与えるから足りないんだ。家ではなく、部屋を与えろ。そうだな……共同住宅……とかだな」

「共同住宅……ですか?」

「うむ、乱雑で粗野な建物を壊して多きな奴にして狭い部屋を沢山作るのだ。そしてそこに民など詰め込めば良い。これで俺の土地が確保できる」

「ですがそんな狭い場所では民が納得しないのでは?」

「砂風をしのげるだけありがたいと思え。それにそうだな……何回建てかにして、一階部分を食堂とかにすればいい。入居者には安く提供すればいいだろう」

「なるほど……」


 あのバカ……いや、本当にバカなの? なんかまともな事いってない。その心はただ、自分の物となった城の範囲を拡張したいって至極独善的な物なんだけど……なんか提案してきた事がまともだよ? だって私は実際でっかいたこ部屋にでも一般市民を詰め込むだけかと思ったら、なんかちゃんと考えてる。一応部屋に分けたり、食事を提供できる場所を作ったりとかいうなんて……あのラパンさんの息子はアズバインバカラでも評判悪いんだよ? バカ息子って市民の皆さんにはいわれてた。


 偉大な親父と比較されるのは可哀想だと思ったけど……実際バカみたいに遊びほうけてるだけだったのに……こんなまともな事をいうなんて……これはもしかしてここではこいつの評価がいっぺんするかも? いや、本質的には何も代わってないんだけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ