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「あははははははは!!」


 私はG-01の中で爆笑してた。いや、ネナンちゃんにじゃないよ。まあその反応が期待通りだった――ってのはあるけどね。もしかしたらあの成金ハゲが朝になる前に起きるかも知れ無いと、一応監視ししてた。勿論私じゃなくて、AIがだけど。だって流石に朝まで自分が監視とかね……無理だし! 私寝たいし!! 


 起きたのはついさっきだ。勿論、朝になる前に成金ハゲが起きたらその時も起こして貰う予定だったけど、どうやら成金ハゲは朝まで起きることはなかったようだ。朝の決まった時間になると、この世界の人達は勝手に起きる。でも成金ハゲは起きない。これは世界の理から外れてる。


 なにか重大なバグがあの成金ハゲには起きてるのかも。そもそもが宵に起きてたのが異常だったし、正しい手順でなにやら元の理に戻らないといけなかったのかも? 下手したらこのままずっと寝たままとかあり得そう。まあ……寝てるって言うよりも気絶してる感じなんだけどね。


 なにせ白目むいてるし、口は半開きで、一晩開きっぱなしの口から垂れたよだれがかなりの量溢れている。はっきり言ってめっちゃ汚い。あんなのが自分の部屋で転がってたら、私でも叫ぶね。間違いない。まだ幼いネナンちゃんにはショッキングすぎる光景だったかも知れない。でもどうしようもなかったんだよね。


 まあ放った指を操って移動する事くらいは出来たけど、そこまでしたら私が怪しいじゃん。まあ疑われるだろうけど、あんまり明確にわかるのはね。


「でも、映像を提供するから結局私がやったってバレるか」


 よくよく考えたらそうだった。でもまあ移動させるのもね。この成金ハゲが宵の間にこんな事をたくらんでたと知らしめるにもネナンちゃんの部屋に放置してたのは正解だったと思ってる。ネナンちゃんの悲鳴を聞いて、人がネナンちゃんの部屋へと集まってきてる。


 その中には当然だけどラパンさんもいる。彼は直ぐに指示を送って成金ハゲを移動させてた。そして一度ネナンちゃんを部屋から侍女に連れ出させて、そしてその間に色々と考えてる。ふと……私の方へと視線を向けたのがわかった。きっと私がやったと疑ってる。まあその通りだけど。後でポニ子を通じて、この映像を見せよう。ポニ子の体に映像を映せば良いだろう。ポニ子の体は色々と便利だ。


 とりあえず今できる事を一通り指示し終えたら、別の部屋で落ち着かせてるネナンちゃんのところへとラパンさんはいく。そして彼はネナンちゃんの側に視線を合わせて腰を落とした。


「すまん、怖かったか?」

「だい……じょうぶ……です」


 そういうネナンちゃんだけど、やっぱりちょっと体が震えてる。侍女が用意した良い匂いするお茶を飲んでるけど、その水面は揺れてるからね。


「宵に動かれるとしたら我らにはどうしようもない……だから安易に信じてくれなどとは言えないが。必ず君は守ってみせる。強がりだがね」

「大人なのに……」

「大人はいつだって強がりしか言わない物だよ」

「大人なのに……ふふ」


 自然と漏れたネナンちゃんの笑い声。ラパンさんはかなりネナンちゃんを重要だと思ってるみたいだ。私が思ってたよりも……ね。ネナンちゃんと一緒に笑い合ってるラパンさんだけど、きっとその心中は穏やかではない。ネナンちゃんも落ち着いたようだし、そろそろポニ子を送り込むかな?

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