表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/1566

100

 成金ハゲはネナンちゃんが寝てる部屋の前まで来た。そうして背中から出てるような背後霊みたいなのに開けさせる。

 それはこれまで見てた奴の行動どうりだからまぁそうなんだろうなって感じ。見たところ、この世界は横にスライドさせるタイプのドアはないみたい。ほぼ全てどっちにも押せるタイプのドアだ。引いても押してもいいみたいな。

 それにドアノブって呼べる物もない。普通の市民の家はかんぬきだ。中にいるときは戸締まりできるけど、出かけるときにはどうしようもないんだけど、そこは気にしてないみたいな?


 流石にこの宮殿にはちゃんとしたロック機構がある。内鍵だけね。これもまた出かけたらどうするんだって感じだけどどうやら外の扉の模様は意味があるらしく、丁度内鍵の反対の外の面に指紋認証みたいに指を押し当てると、ロックしたり開けたり出来る。ハイテクな所とそうじゃないところのギャップが酷い。


(ギャップというか歪さ……って言う方が正しいかな?)


 勿論扉は限られた数人にしか開けることは出来ないようになってる。でも成金ハゲの背後霊みたいなのが扉にへばりつくとしばらくして――


ガチャ


 ――という音が聞こえた。


「あの技術は教会が与えたんじゃない?」

『その可能性は高いですね』


 AIも私の冴え渡る推理に同調してる。今のは隙の無い推理だったね。当たってるからわからないが……まあそれも直ぐにわかる。成金ハゲは無遠慮にネナンちゃんの部屋へと入る。そしてネナンちゃんが寝てる天蓋付きベッドへと真っ直ぐにいった。もうこの時点でアウトなんだけど、私はまだ泳がせている。いややっぱり決定的瞬間が必要かなって思ってね。


「まさか、こんな子供に『神格』が降りるとは……だがまだ定着はしていない。儀式を行えば、委譲が出来る筈だ。そうなれば……私はさらなる地位と権力を……ぐふふ……ふははははははは!!」


 ネナンちゃんがスヤスヤと眠る横でそんな高笑いをしてる成金ハゲ。ふむふむ、なかなかに重要そうな事を言ってたね。今のは聞き捨てならないよ。成金ハゲはハアハアと興奮冷めやらぬ様子だ。もうこの時点でアウト確定だ。はっきり言って気持ち悪い。ハゲでデブが目を血走りさせて更に息荒くうら若き少女の寝込みを襲おうとしてるんだ。

 まあ残念だけど、この気持ち悪い奴がネナンちゃんに触れる事は叶わない。何故なら……


「む……なんだこれは?」


 成金ハゲは何やらネナンちゃんを包むぶよぶよとしたナニか……に気付いたようだ。勿論それはプニ子だ。プニ子はネナンちゃんが寝てる布団に覆い被さるようにその体を伸ばしてる。でもまあ暗くて透明だから成金ハゲは気付いてない。


「結界か? だが、こんな小範囲に……まあいい。やれ」


 成金ハゲは背中の背後霊に命令する。背後霊が動きだそうとしたとき、私はG-01の中指の関節を外して飛ばした。成金ハゲの背後霊に穴があく。


「なん……だと?」


 あれれ? あの背後霊を損傷させたら、何か本体に影響があるとおもったけど、案外大丈夫そうだ。なら……私は更に外れた指をそれぞれ動かして背後霊を穴あき状態にしていく。そしてかなり削れた所で、いきなりハゲが倒れた。


 腕も前に出さずに本当に棒が倒れる様に成金ハゲは倒れた。うん? なんか不味い? やり過ぎたかな? とか思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ