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 おめかしした私は着替えとか手伝ってくれた中で多分一番偉いと思われる女性に連れられていた。


「私は……どうなるんですか?」


 長い回廊を歩いてると、不安になってきた。だって今日はおかしな事が続いてる。これで不安にならないほど私は神経図太くない。寧ろいつも不安がいっぱいだ。お父さんとお母さんが居なくなってからはそういう毎日。確かにさっき、ちょっと振り切れたけど今はそれを押し流す程に色々な事が起こってる。お父さんとお母さんが居たときでさえ、私はこんな綺麗な格好をしたことがない。


 それにこの街で一番偉い人が居る建物で、そこの人達にまるでお姫様みたいに扱われてる。不安になって今のように聞くのは当然だと思う。


(早く皆に謝りたいな)


 私はそんなことも思ってた。なにせ私はお父さんとお母さんが居なくなって皆の事が疎ましかったんだ。だって皆には家族が居たから。私はきっと自分を世界で一番不孝だって思ってた。それで酷い事をいっぱい言った。なのに……皆は今日、私を守ってくれた。こんな私を……だから皆に早く謝りたかった。「ごめんなさい、ありがとう」っていいたい。でもそれはもう少し先になりそう。


 皆を招いて豪華なお食事を披露してくれるって事だったから、遅くならない時間にそれをやってくれるとは思う。なにせ夜の決まった時間には皆寝ちゃうんだ。それを考えると、私への用事はぱぱっと済ませてくれるはず。


「大丈夫ですよ。ラバン様は悪いようにはきっとしないです」


 そう言って笑顔を見せてくれるお手付いの女性。その人の後ろについて、私はその部屋へといった。私を助けてくれたラバンというこの街を治めてる人がいて、その横には腰が凄く曲がったおばあさんが一人居る。そのおばあさんは、熱いこの街でやけに黒い格好をしてた。ちょっとびくってなる。なんか私を追いかけ回してきた人達を思い出した。

 いや、全然違うけど……けどなんか雰囲気? が似てるような……


「ふぇっふぇっふぇっ……成るほどのう。あやつらが必死になる訳じゃ」

「なにかわかるのか?」


 お偉い方が怪しい老婆の言葉を気にしてる。私はここまで案内してくれた人の後ろに隠れようと思ったけど、その方はスッと動いて私の背後に回ってしまった。変な態勢で私は固まる。


「ご苦労、ではさがっていい」

 

 そんな事を言われて私を案内してくれた人はさがっていった。ジッとラパンさん……と言う人がみてくる。偉い人だから、ラパン様? 


「よく似合ってる。気に入ってくれたかな?」

「えっと……こんな高そうな服……私お金なんて……」

「はは、そんな物は必要ない。君にはそれだけの……そう、価値がある」


 価値? ラパン様が何を言ってるのかわからない。するとぐにゃっとした枝を付いて老婆が前に出てきた。


「そんな不安そうにするでない。確かにその娘には価値がある。それもとてつもない……のう」


 わからない……私にはこの人が何をいってるのかわからないよ……

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