表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
181/1564

90

 地面から這い上がってくる変な黒い文字なのかミミズなのか……よくわかんないもの。それに思わず気持ち悪い……とか言ったが、まあ別に蠢いてるのを感じる訳じゃない。それに――


「なん……だと?」


 成金ハゲのそんな言葉。どうやら奴は困惑してるみたいだ。何故かというと、地面を伝って気持ち悪い感じの模様はG-01の足から上がってこれないみたいだから。確かに足の裏からちょっとした所までは上がってる。でもそれ以上はどう頑張っても上がれないみたいだった。いやいや、なんかちょっとした模様みたいになって外壁内部へと侵食してるみたいなのにそれ以上いけないってなに? 手を掻いてみても別段剥がれたりしないしね。


 多分内部に入り込んでるんだろうけど……


「これって?」

『あんな低位の力でG-01を浸食など出来る筈がありません』


 AIがバッサリと切って捨てた。ご愁傷様……どうやら成金ハゲの必殺『聖印』なるものはG-01基準では低位な力らしい。いやまあ……ね。世界のレベル的にそうだとは思った。この世界に来て、脅威なんて感じたことないもんね。あの成金ハゲだって全然脅威を感じないし……そんな奴がやる事なんて無視できることだと思った。まあけど、なんかうねうねしてるから、気持ちは悪い。いつまでもG-01に入ってて欲しくはない。私はちょっと足をあげて、そして踏み砕く。

 すると一気に模様が霧散した。


「あら、適当だったんだけど……」

「ななな……まさか聖印に抵抗したというのか!?」


 抵抗なんて大層な事はしてない。そもそも抵抗するような反応さえなかった。抵抗なんてのは、自身に危機が現れたら出てくる防衛反応だ。それがなかったって事は、何でも無かったって事なんだよね。驚愕してるところ悪いけど……もうちょっとマシな事をやってほしい。


 あまりにも弱すぎてどこまで手加減して良いかわかんないじゃん。私は成金ハゲへと腕を伸ばす。


「近づけさせるな!!」


 そう言うと、なんか地面から砂が盛り上がって、あのデカ物が現れた。かなり急いでやったのか、砂のままで体も固定化できてないのか砂がサラサラ落ちてるが、そんなのよりも、私に向かわせる方が重要だと判断したみたい。まあでもどっちでも同じだけどね。


 三体現れたデカ物共のだが、私が腕を振るうとそれだけで崩れ去った。それはそうだよね。なにせ完全体の奴でもちょっと握ると崩れたんだよ? 不完全ならなおさらだ。


「うぬおおおおお!? やめろおおおおお!? 私が誰だかわかってるのか!!」


 頭をつまんで持ち上げると、なんかそんなことをいってジタバタしてる。このままプチってしても良いんだが、ネナンちゃんの教育に悪そうだ。私を囲んでた変な格好の集団がなにやらやってきてるが、私には何の影響もないから無視で。


「早く私を助けろ!! 早くしろおおおおお!!」


 あーあー五月蠅い。私はぺいっとアンダースローでそいつを投げた。「あっ」そんな声が聞こえた気がしたが、成金ハゲは綺麗な放物線を描いて空を飛んで行く。


「ふう、一件落着だね」


 私はそう言って満足したよ。死んだかどうかは知らん。興味も無いしね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ