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「彼女……ジゼロワン殿が保護した子は私が責任を持って預かりましょう。なにせその子はこの街の子です。その責任が私にはありますので」

「これは我らが神のご意向ですよ?」

「お告げだあったのでしょうか? それならば神告を聞かせて頂けませんかな? 私もなかなかに信心深くはあるのですよ? 本当に神が直接言われましたのなら、それを拒否なんて出来ませんからね」

「ぐぬぬ……貴様……」


 成金ハゲはラパンさんの言葉に手に拳を作ってる。私はG-01の中でもっと言ってやれ! って応援してた。ああいう風に言われると、こいつらも頭ごなしに無理難題をいうなんて出来ないだろう。ラパンさんは可能な限り、どちらにも配慮してる様に見える。見えるが……ネナンちゃん絶対にやる気はない――って気持ちも見える。


「ふふ、神告……はありました。だからこそ、ここに我らが訪れたのです」


 成金ハゲはそう言って変な格好の奴一人を自分の元まで戻した。


「さあ、神告その口に現しなさい」

「……はい」


 何やら変な格好の一人の声が怯えてた様な……成金ハゲは後ろに回って何かを綴ってる? そしてジャラジャラと邪魔そう手自分のアクセサリーの一つを取って、何やら呟いてる。それは詠唱なのか? かなり小声だから、他の人達には多分聞こえないだろう。そして使命を受けた変な格好の一人がしゃべり出す。


「強大な存在……それは黒でも白でもなく、世界を揺るがす者。大きく進むとき、だが変化は……ごふっ」


 なんかいきなり震えだした。変な格好の奴は変な格好のせいで何が起きてるかわからない。だけど、なんか苦しそうである。それでも言葉を紡ぐ。


「だが変化は否応なく訪れる物。見極めよ……砂の一粒も見逃してはならな……い」


 その言葉と共に、なんか頭に被ってたであろう傘がパサッと地面に落ちた。布も重なって締めに落ちてる。


「イリュージョン?」


 こういうのなんか昔はよく見た気がする。だから思わずそんな事を呟いたが……どうやらそういうわけではないらしい。


「神告を巫女ではないものが無理矢理によむから……」

「ふふ、天に送られたのです。彼も本望ですよ。さあ、神告は本物です。わかりましたか? これは神の意志なのですよ」

「いや、強大な存在というのはきっと勇者殿と魔王殿の事だろう。その子ではない。それに神告ではその存在は黒でも白でもないらしい……つまりはまだ味方か敵かはっきりとはしないという事。ここで彼等が守るその子を無理矢理連れ去ろうとする行為を許すわけにはいきませんね」

「貴様!! 神告の解釈は我々が決めるのだ!! 貴様等がそれを考えるべきではない!!」


 わーお、絶対にラパンさんのほうが論理的だったよね? てかそれなら、こいつらの好き放題じゃん。いや、実際そうなんだろうね。


「すみません。ですが……我々は彼等を敵に回すべき手はないと思います」


 ラパンさんは強くそう言う。その迫力に押される成金ハゲ。だけど……


「ふん、ただのデカ物ではないか……」


 そう言って成金ハゲがこっちを見る。うわー面倒そうな予感。いや、既に面倒なんだけどね。

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