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 ゲスい笑みを浮かべる恰幅の言い成金ハゲ……今すぐにでも潰して構わないんだけど……さてどうするか? とりあえずネナンちゃんは私の腕の中。G-01がその手で完全に包んでるから、奴らが何をしようともびくともしないと思われる。


「「危ない?」」


 私とラパンさんはそのハゲの言葉を反復してた。危ないってなんかおかしくない? その反応はなんか気になる。だって普通はジャルバジャルが戻ってくるのは良い事だ。その筈だ。なにせ今まで砂に沈んだ街が再び戻って来た事はないのだから……いや、もしかしてこのハゲが言ってるのは、そのジャルバジャルへと向けた戦力が危ないって事だろうか? それならまあ……わかる。


 なにせ今まで一度も取り戻したことはないのだ。ならその戦力が無駄だと思うのは普通かも。その場合、このハゲがこの街の兵達を心配してることになる……


「そんなことあり得るかな?」


 はっきり言って結構無いと思う。なにせ私の中でこいつはゲスなのだ。ゲスが心配することとなると保身以外にあるだろうか? いやない。だからちょっと違和感がある。こいつが何に対して危ないといったのか……


「心配には及びません。必ずや彼等はやってくれます」

「だまらっしゃい!!」


 ラパンさんの言葉に成金ハゲは声を荒げた。どういう事なんだろうか? 手の中のネナンちゃんも怯えてるじゃんか、やめてくれないかな?


「貴方たちは何もわかってません。この地には、いえ世界には我々の祝福が大切なんですよ? 何故に神官を一人も連れて行かないのですか!!」


 神官……だったんだ。いや、この成金ハゲは割と神官……というか神父みたいな格好してるとは思う。ジャラジャラしてるアクセサリーがなければ、もっとマシに見えると思う。でも他の奴らは異常者じゃん。格好が変じゃん。まあ全く違う世界なんだから全く違う格好が神官の格好でも別におかしくは無いと思うけどね。寧ろ、全ての世界で神官はロープ着て静謐な感じを醸し出してるってほうがおかしいのかも。


「それはそちらが人材を出してくださらなかったからで……」

「待って欲しいと言ったはずですが?」

「その待って欲しいという期間も告げられないのでは、こちらも予定を組めないのです!!」


 どうやらラパンさんはちゃんとこいつらに要請はしてたらしい。やはりこの世界ではこいつらかなり影響力があるみたいだね。まあ普通にこの街の長であるラパンさんと話してるし……いや寧ろなんか上から目線だ。神官と言うなれば、後ろ盾は宗教だもんね。厄介そうだ。


 この世界の宗教なんて知らないが、一神教みたいだよねこう言う世界って。そうしたら影響力は絶大か……


「でも街の人達を見る限り、そこまで宗教に傾倒してるわけでもなさそう……か。アズバインバカラはなんか中央じゃないから?」


 結構大きい街だとお持ったけど、この前の世界が文明レベルゼロだったからね。もしかしら私の文明査定が低くなっててもおかしくないね。やっぱり宗教とかは総本山が一番ヤバそうじゃん。ここにも教会はあったし、実際教会的な建物で孤児を預かってもいるが、あんな変な格好の奴らは見たことない。もしかしたら、別宗教もあるのかも? 


「神の信徒である我らにその言葉……やはり貴方は少し信心が足りないようだ」

「信仰で街は治めることは出来ませんので」

「なに?」


 おう、まさかそこまではっきり言うって、ラパンさん凄くない? 大丈夫今の? でも今の言葉で確信できた。ラパンさんはどうやら敵にはならないだろうなってね。

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