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「なんなんだよこれ!!」

「で、でれらないよぉ~!」


 ポニ子の視点を画面に映してると、よく考えると音も拾ってるのおかしくない? とか思わなくもないけど、ポニ子が拾ってる音を拾ってると思えばそこまでおかしくもないか。何せ私の力で成り立ってるような存在がポニ子だしね。はっきり言ってG-01とある意味一緒だよね。私はG-01とのシンクロ率をある程度制御できる。それと同じ事がポニ子でも出来ると思えば、おかしな事ではない。


 あのおかしな格好したハゲの仲間のせいでポニ子と子供達は閉じ込められた。あの結界を維持するにも人が必要だとすると、合流できる人数はかなり限られるわけだけど、それでも大人と子供という間には大人がちょっと増えただけでかなり不利だ。てか、この範囲から出られないってのが詰んでる。なにせ子供達は逃げるって事を戦術にしてたと思う。皆、小さな子供とは思えない位に賢いし、自分たちの庭であるこの街ならきっと大人が通れない場所とか使って逃げられるって思ってたんだと思う。それにやけに派手に声でも出して走り回れば、他の大人だって黙ってはないだろう。


 奴らはなかなかに得体が知れないが、流石に子供達を狙ってると別れば、この街の人達は黙ってないはずだ。奴らだって一人二人を消すくらいはなんて事無くしそうだけど、沢山の人が動くとなるとそうも行かないはずだった。でも奴らが真っ先に打った手は、逃げられる範囲を絞るって事だった。これは流石に子供達の想定にはない。なにせこの世界には魔法みたいな力はそんなに浸透してない。一応有るけど、個人が簡単に使えるのなんて、それこそ血浄とか位だ。あれは魔法なのかよくわからないけど。

 だからこそこれは子供達にとっては予想外だろう。


「ぽに!!」


 ポニ子はそう言って結界へと近付いて行く。そしてタックルをかます。勿論ちゃんとネナンちゃんは他の子に任せてだ。ポニ子はちゃんと配慮できる子なのである。でもそんなポニ子のタックルはあまり効いてない。逆に結界に触れてるポニ子にバチバチとなんか攻撃が行ってる。


「ポニ!! 離れろ!!」

「そうたよポニちゃん!!」


 子供達がそんな心配する声を出すが、ポニ子は離れない。何を狙ってのポニ子? 


「ポニ……ポニポニポニィィィィィィ!!」


 必死に結界に突っ込んだ ポニ子の頭の部分が突き抜けた。でも結界の攻撃がやんだわけじゃない。


「ふん、そのまま間抜けな格好で死んでいけ」


 そういう全身ペイントハゲ。でも次の瞬間、奴は焦りだした。


「ポニポ! ポニポ!」

「えっ? もしかして、ポニの体を通って抜けろって行ってるのか?」

「ポニ!」


 なんでわかった? 私はポニ子の意思をくみ上げてるからポニ語もわかる。けど、子供達にはそんな力ない。でもやたらと子供とは意思疎通が出来るんだよね。子供にはそういう能力でもあるのかな? でもその狙いは良いと思う。子供達は直ぐにポニ子を信じて下半身を大きくしたポニ子に飛び込んだ。そして頭の方から結界の外へと出る。気を失ってるネナンちゃんも丁寧にポニ子の体を通す。


「なんだと!?」


 そんな事を叫んでももう遅い。ペイントハゲは何やら詠唱ぽいことをしながら駆けてくる。でも奴の拳が結果に阻まれてポニ子達に届く事は無かった。どうやら中に居る奴を無差別に閉じ込めるだけで、識別する機能とかはないらしい。それを理解した子供達は結界の外からあっかんべーとかしてペイントハゲを煽ってた。そんな皆をポニ子が引いてこの場から退散させるよ。

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