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外がダメなら中からというのは当然だろう。まあけど今からドローンを中に送り込む……というのは難しい。いや流石に牢の入り口には監視がいる。どうでもできるけど……あまり工作ってしすぎるとね。厄介だし、バレるリスクも多くなる物だろう。それにスライムは牢の外にもその体があるのだ。
ならばわざわざ牢の中からやる必要もないしね。でもいつもなら簡単に色々と転送できたりするわけだけど、あそこは特殊な場所だ。なにせリファーちゃんの空間移動さえも阻む結界があるからね。一応普通のドローンはその結界を越えれるようにしたが……いつものように……とはまだいかない。
ならばどうやって水分を奪うとか硬質化するようなものをスライムに取らせるか? となるよね。けど、問題はない。だってこちらには膨大な知識があるのだ。そしてさまざまなものを深く鑑定できる目だってある。
それを使えば、このカメの甲羅の世界にあるものを使う事ができる。ちゃんと成分を理解して分解して組み合わせる事ができるのなら、なんだって作る事ができる。そういうものじゃないだろうか? たしかに世界が違うと成分とか化学式とか色々と変わってしまうものだ。その世界の構成物質から未知の物……という事だってある。
当然だろう。だって同じ世界はひとつとしてないんだから。でも似たような世界は無数にある。同じ始原に基づいた世界は当然似たような物質構成になるし、同じ神が管理する世界もまた、表面上は違うように作られてても内部をみたら同じ所はたくさんあるものだ。多様性を求めても、そういう風に作ってても、自分が利用できる部分は再利用するのは人も神もおなじっていうね。
だからこそ、共通点はある。ここが固有の島のようなものだとしても……だ。だから私はドローンたちを使ってこの世界のさまざまな物を使って必要なものを作り出す。たくさんのドローンがあるからそれは簡単だった。
そしてその作り出した薬品をプスッとドローンで差し込んで注入する。するとその反応は劇的だった。つくった薬品の量はとても少なかった。3mlくらいである。それに対してスライムは数十メートルくらいはある。なにせ牢屋の建物全てを包んでるからね。
そんな巨体に対してたったのそれだけできくの? と思うだろう。でも大体そんな物ではないだろうか? だって人間に効くさまざまな毒の致死量なんてこれよりももっと少ない。0に近い数字になるものだ。だから3mlってある意味でとても多いのだ。
人間単位でどれだけ殺せるか? でいうなら、その容量で数万人は殺せるだろう。それだけの致死量なのだ。だから効果は劇的だった。緑色したスライムの色が急激に変わっていく。でもそれはちょっと予想外。
「これは……めだっちゃうな」
それは困る。




