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「こっちだ!!」


 そう言って誘導してる一人の男の子。まあ回りには子供達がいっぱいだ。女の子は達はそうそうにリタイヤしたらしい。まあ流石に危ないしね。ネナンちゃんとポニ子の回りには男の子が五人くらいいる。いやちがった。


「そっちは不味いぞ! こっちの道にしよう!」


 なんかどうやら色んな通路に散ってルートの安全性を先行して確かめてくれてるらしい。まあいつも二桁くらいは子供達いたしね。こんな世界だ。多分子供の数自体は多いんだと思う。過酷な世界ほど子孫を残すって事は重要な要素になる。だからこそ、自然と子供も増えるんだろう。それにこんな世界だからこそ、荒事にも慣れてるみたいだ。いつも遊んでる子達は結構小さくて、一番上でも十歳くらいまでな感じなんだけど、みんなかなりしっかりしてる。


 連係もなんかすごいし。


「それにしてもこいつおっそいな!」

「抱えたほうが良いんじゃないか?」

「そうだな、おい、二人がかりで抱えようぜ!」

「ポニ?」


 視界がグリンと回って空がみえる。どうやら二人ががりで、前と後ろで抱えられたみたいだ。確かに速くなったけどさ、完全にポニ子の奴、足手まといじゃん。そんな事を思ってると、前の方から声が聞こえた。


「「うわあ!?」」

「君たちは勘違いをしてる。私達は何も、彼女に酷いことをしようとしてる訳じゃないんだよ?」

「そんな変な格好で言われても信じられるわけ無いだろ!!」


 一人の男の子の発言に全力で同意するよ。だってほぼ姿なんて見えない。でっかい傘を頭に被り、それから伸びる布のせいで、中身なんて全く見えない。怪しさだけでみれば多分私達にも引け取らないよ。


「「そうだそうだ」」

「それにジーを閉じ込めたくせに!」

「「そうだそうだ!!」」


 子供達は大分私に懐いてるね。うんうん良い傾向だ。


「あれは危ない存在です。君たちは騙されてるんですよ?」

「でも砂獣から守ってくれたよ。大人達もそう言ってる!」

「そもそも、領主様も許してるじゃん!!」


 この世界の子供達は賢いね。まだ十かそれよりもしたの子達ばかりなのに、感情論だけじゃなく、ちゃんと周りの大人を出して論理武装してるぞ。領主が許してるんだから、私はこの街にいるのを認められてるわけでね。それは紛れもない事実だ。


「確かにそうですね。でも完全に心を許してるわけでもないのですよ。なので出来うるのなら、君たちにはあまりあれに近付いて欲しくはないと、領主様も思っておられます。信じてください。私達は信仰を胸に行動してるのです。酷い事などしませんよ」


 何やら、ゆったりとしてた深い声をだしてきた。違和感を憶える声だ。いや、声自体は別に子供相手に言葉をゆっくりと発してるんだと思う。でも……なんか声に力が乗ってる? 


「そう……言う事なら」

「ええ、物わかりのよい子は好きですよ」


 おいおい、流石に子供なのに物わかり良すぎでしょ。おかしいぞこれ。私はポニ子に意思を送る。


(ポニ子、なんとか出来る?)

「ポニ!」


 ポニ子はまだ抱えられてるから、動く事は出来ない。けど良い返事をした。そしてポニ子と「ポニーーー!!」と叫んだ。その声にも力を感じた。

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