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神は消えた。死んだのか? 消え去ったのだけなのかはわかんない。けど反応はここら一帯では感じれない。どうやら今の一撃で「こりゃまずい」――と思ったのか、逃げたみたいだ。まあ戻ってこない……とは限らないけど。
なにか準備をして戻ってくる可能性はある。だから一応警戒しつつ、私はウサギな彼女の世界を自身が作った傷から守ることにする。私が世界の外の空間につけた傷によって、そこにいろんなものが吸いこまれていってる。
これは明確な私のやらかしだ。まさかでそんな……そんな気持ちでいっぱいです。私のやらかしを誰かが追及したら、ここは謹んで謝罪をしないといけないだろう。
「私だってこんなことなるとは思わなかった」
――そんな言い訳をすることもできるだろう。だってそれは本心だ。本当にこんなことをする気はなかった。でも……そんなこと言っても私のやったことが消えることはない。結果はこれだ。たくさんの命を危機に瀕してしまってる。
「いや、あの世界そもそもが終わってたな」
よく考えたらそうだった。あの世界はもうほとんど命はない。残ってるのはウサギな彼女の家族だけだ。でも……彼女にとってはそれがすべてだ。だから見捨てるなんてできない。神がいなくなったから、そもそもがあの世界は……という気がしないでもないが、このままあの傷の向こうに行かせるわけにはいかないだろう。
「少しはなじんできたかも?」
いつもよりもじゃじゃ馬なG-01。そのせいでちょっとした……ちょっとした? 失敗をしてしまったが、まだ持ち返せるはずだ。世界とは丸くはない。私がこれまで渡ってきた世界……それを外からみると大体、おなじような形をしてる。まあ外から見える世界に違いはあるけどね。
星じゃない。世界……とはどんな形をしてるのか。それはは半円みたいなものだ。平たい地面が見えて、地下を表すその下の半円。そして平たい地面が丸く広がってる、それが世界だ。あの世界は全てが雪で覆われてるから、平たい地面は真っ白だ。そして薄く大気が見えて、吹雪く光景が見えるんだ。
まあけど大気の部分は触れられるものじゃない。だから世界に物理的に触れられるのは、半円の地面の部分だけだ。
「よし、これだ!」
私はユグドラシルシステムによって、腕の先端、手首の部分に新たな装備を作り出す。手首の部分が太くなって新たな装備ができる。急いでたから、カラーリングとかが間に合ってない。鉄の色がそのまま出てる。でも機能は問題ないはずだ。
私は両手を世界に向けた。そして新たな装備から、細長いテープが射出される。それがくるっくるっとうまい具合にウサギな彼女の世界へと巻き付いた。




