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 世界を作った神。それに対してはむかったのはか弱いウサギでした……そんな神話があってもいい。きっと神は何かをした。それは間違いない。こっちではあの最初の複製? 以外では神から接触は確認できなかった。

 でも……それはおこった。何がというと、それは分身たちの異変だ。同じようだったウサギの分身体。けどその動きが次第にかわっていく。同じようだったはず……というか同じだったはずだ。だからこそ、同じようにただだだ、何もせずにゆっくりとその生を実感してた。

 朝、なにもせずに日向ぼっこする。昼、何もせずにお昼寝をする。夜、寝る時間だから寝る――そんな毎日を送ってたウサギたち。ニート? いやいや、それこそが平穏の姿だった。それに別になにか不満がある……なんてなかった。ただ静かな時間がすぎていく。それでよかった。だってウサギはもうずっと……そうずっと、静かな死……を待ってた。


 なんにもない、ただのどかな日々。でも少しずつ、にぎやかになっていく。ずっと動くウサギたちが増えてた。別に何かやってるのかいえば何もやってない。穴を掘ったり、少しずつ周囲に緑を増やしたりしてた。

そんなこと出来るのか? って思うだろうが。出来る。だってウサギの身には大量のエネルギーがある。それをどう使うか? それはウサギ次第。でもウサギはずっと何もしなかった。本当に何も……だ。


 人々から離れてから、それを求められることもなかったからだ。ただ生きるためなら、その身にある膨大なエネルギーを使う必要もない。だから何もしなかった。でも複製された一匹が何やらやってる。この生命が何もなくなった不毛の世界で、その一匹の回りだけ緑が沸いてる。その力を周囲に供給して、砂から草へと変換させてるみたいだ。


「キュイキュイ?」


 なにをやってるの? 的な意味でウサギは聞いたと思う。でも、そのウサギは答えない。しょうがないから放っておいた。そしたら、また一匹、また一匹と日に日に増えていく。いつの間にか周囲は砂じゃなくて、草原になってた。それはとてもきれいな光景だ。ずっと砂がひろがってたから。

 でもそれに感動なんてなかった。ただウサギは悲しかった。だからだろう、ウサギは空を見続けてた。その周囲には草に包まれてしまってる同胞たちの姿。もしかしたら静かに怒ってるのかもしれない。そしてしばらくして、ウサギは……ウサギたちは神へと戦いを挑んだ。

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