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何が悪いのか……世界が? 人が? それとも……神が? ザシュザシュとウサギはあるく。何もなくなった世界を。傷跡は大きく、文明は再び後退した。でも……ウサギはやった。敵……の根源を叩き壊すことはできた。それでも残滓は残ってるが……けど、もうそれにウサギがかかわることないだろう。
だってウサギは捨てられたからだ。もう使い物にならないと判断されたんだろう。それにヘイト管理もあった。人々は決してウサギを英雄にはしたくなかった。だから、全ての責任はウサギのせいになった。
そのまま敵と同士討ちなら楽だっただろう。けどウサギはかろうじてだけどかった。流石はサンクチュアリを有してるだけある。けど……その仕打ちが廃棄である。返せない恩も忘れて、感謝も忘れて……人々は石をなげたんだ。
それからずっとウサギは歩いてた。どこともわからない場所……あれだけ水にあふれてたのに、世界の水はほとんど失われてしまった。あるのは干からびた大地だ。何も食べずに、何も飲まずに……それでもウサギは死ぬことはない。
人々がどうなったのか……もうわからない。ただ最初にウサギはある場所を目指した。それは……なつかしき故郷だ。もちろんそんな場所はもうないが、座標はわかってた。だからそこにいった。何もなかった。
わかってたけど……むなしかった。でもそこで見つけたものがあった。そう、ウサギを切り刻んで生まれたウサギのクローンともいえる存在だ。それらは打ち捨てられてた。動かなくなったらそのまま放置。だって兵器なんだから……そしてウサギを切れ刻めばまた作れるんだ。
人々はそれを回収なんてする気はなかった。ただの使い捨ての道具。そんな扱いだった。だからウサギはその打ち捨てられたクローンに再び命を吹き込んだ。まあエネルギーを供給しただけだけど、でもそれでぎこちなく動き出す。
大きなウサギと小さな人型の人形のような何かの旅が始まった。




