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世界は人類の弱点をしってる。だからこそそこを突く。人類の技術の基盤を絶ち、情報という生命線を妨害する。それによって何が起きたのか。個々の組織で、国で対峙することになった人類はどんどんと劣勢になっていく。少しずつ、でも確実に追い詰めれていった。
そして頼るのは……間違いなくウサギだった。サンクチュアリを宿したウサギ。そもそもサンクチュアリは英雄の力だ。世界を救う英雄になるものが使う力。今人類は危機に陥ってる。滅亡の危機だ。もう一度あのみじめなうさぎの中での生活なんて人類はしたくなかった。
だから彼らはすぐさま決断した。それは何か? サンクチュアリを宿したウサギのクローンの制作だ。それが成功したら、逆転できる。そもそもが再生能力もとても高くなってるウサギである。その回復能力を補助する形の発明品を生み出して……あとはそこに部位ごとに切り離したウサギをいれる。
そう……腕に足に胴体……そんな風に分割したウサギの一部を入れて、再生を促す。それによってできたのは、完全なクローンってわけじゃなかった。出来たのは劣化品みたいなものだ。ウサギではあるが、ウサギじゃない。ずんぐりむっくりした体系の二足歩行で二つの耳がピーンとたってる……そう、勇者たちが戦ったあのウサギたちだ。
まあでも勇者たちが戦ったのよりもちっさい。寧ろ人よりもちいさい。だからなんかかわいらしさがあった。でもそいつらの戦闘能力は確かだった。ウサギの一部を使って生み出されるその小さな二足歩行のウサギたち。
それでも敵は強い。ならば……どうするか? それはもっともっと増やさないと……となるだろう。これがその小さな二足歩行のウサギたちからも生み出せたら違ったんだろう。でもそれは無理だった。それを生み出せるのは大本であるウサギだけ。ならば……どうするか? 人々は追いつめられると残酷な選択肢を簡単にとる。
つまりはどんどんと人々はウサギのその身を削り取る。どれだけなら、再生するのか、どこまでが限界なのか? それを確かめるために、どんどんと残酷にウサギの身に刃をいれる。その身がサンゴや機械になってるといっても、ウサギはまだ生きてるわけで、生命だ。だからもちろん切られるといたいし、嫌なことだ。
きっとウサギは叫んでた。何回も何回も「やめて」って。でも、それに耳を傾ける人はいない。だってそれをしないと人類の敗北は決定するからだ。




