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ウサギが捕まってどれくらいたっただろうか? もうわからないくらいの時間がたった。それに伴って更に科学は発展していく。でも争いが無くなったわけじゃなく。力やら技術、野望を求めて戦いは常に起きてた。ウサギはそのたびにどうやら利用されてた。
その体をこねくり回されて、その身に宿すエネルギーを利用する形でバージョンアップを繰り替えていく。ある時は大きくなったウサギにただただ敵陣への突撃を任された。
それだけで敵が壊滅するのだ。どんな攻撃だってウサギには効果はなかった。だから突っ込むだけで戦線を切り開けるし、拠点を壊滅させることだってできる。まさに最強の兵器だった。
ある時は空中に打ち上げられて、そこから様々なところに光線を放ってた。空を蹂躙するウサギによって、他に制空権を取る存在はいなくなった。それによって、ウサギを持ってる陣営が勝利した。
ある時は人々の居住地にもなった。度重なる戦いによって、世界が疲弊してボロボロになって限界がきたんだ。そんなときに、人々は希望をウサギに託した。ウサギは既にその存在で完結してる。自身でエネルギーを生み、永遠を生きる存在になってた。色々と改造されてはいるが、そんなものの全てを自身の体内にあるナノマシンによって修復できる。
病気だってそうだ。全てを自身で解決できるようになったウサギは永遠の命を手に入れていた。だからそんなウサギを巨大化して、その内側に生き残った人々は住むことにしたんだ。
もう不毛となった大地では食べ物を生産することはできなくなってた。でもウサギの中でなら……と考えついたマッドなサイエンティストがいたんだ。そして長い時間、それこそ世界が再生するまで、人々はウサギの中で暮らした。
人々とウサギの長い共生。それは一方的な関係だったかもしれない。ウサギはずっと人によって振り回されて、都合の良いように使われていただけ。そういう風に見える。
でも、ウサギは別にそこには恨みとかあるとかはないようだ。ただ全てを受け入れている。でもじゃあ……今の姿は……今の世界の姿はなんなのか? それは人々がようやく再生した大地に降り立って、サンクチュアリと出会ってからはじまったみたいだ。再生したとおもっただろう。
けどここからが本当の破滅の道だった。




